News 2002年2月18日 08:53 PM 更新

2001年EC市場規模はB2Bが34兆円,B2Cが1.5兆円

経済産業省などは18日,2001年度の国内電子商取引市場規模に関する調査結果を発表した。厳しい経済状況の中,B2B,B2C市場ともに堅調な伸びを示している。

 経済産業省と電子商取引推進協議会(ECOM),NTTデータ経営研究所は2月18日,2001年度の電子商取引市場規模・実態調査について調査結果を発表した。

 それによると,2001年度の電子商取引市場は,B2B(企業間電子商取引)が約34兆円(前年比60%増),B2C(消費者向け電子商取引)が約1.5兆円(同80%増)となった。また2006年には,B2Bが約125.4兆円,B2Cが16兆円規模になると予測されている。

成長率は年間50〜60% B2B

 NTTデータ経営研究所によれば,2001年度のB2B市場規模は,電子・情報関連機器(15.1兆円)ならびに自動車(13.5兆円)が大きな割合を占めているものの,化学,産業関連機械,紙・事務用品なども拡大の兆しが出てきたという。

 B2B市場は調査を開始した1998年度から50〜60%の成長率を維持しており,NTTデータ経営研究所では「e-Japan重点計画が目標とする電子商取引市場の成長率をクリアしている」と説明する。2006年には「セグメントごとの隔たりが少なくなり,電子商取引化率は17%を突破する」(NTTデータ経営研究所)見通しだ。

 また,今年度より,B2B市場調査ではeマーケットプレイス型の電子商取引ならびにB2G(行政機関向け電子商取引)市場を切り出し,単独の市場調査・予測が行われることになっている。

 eマーケットプレイス市場は3.98兆円で,規模は拡大しているものの構成比は全体の1割に過ぎない。「現状では,1対Nのウェブ販売サイトやN対1型のプライベートな電子調達システムが主流になっている」(NTTデータ経営研究所)ことが理由。なお,2006年には約13兆円規模になると予測されている。

 B2G市場は,2003年以降に拡大し始め,2006年には6兆円規模に達する見込み。2001年のB2G市場は60億円程度にすぎないが,国土交通省が原則2004年までに電子入札システムを構築するほか,2003年度中にも同省が発注するほとんどの公共事業に電子入札を適用する予定で,大幅な成長が見込まれている。

モバイルコマースが躍進 B2C

 一方,B2C市場は,ショッピングカタログを見ながらネットで商品を購入する「カタログ通販型の電子商取引」が増加。衣料,趣味・雑貨類,旅行,エンタテインメント関連が大きな伸びを見せ,2000年の8240億円から80%拡大した。ただし,「PCや書籍・音楽といった電子商取引の先行品目においては,金額ベースの伸びでやや落ち着きが見られる」(NTTデータ経営研究所)。

 B2C市場では,今回より携帯電話などモバイル機器を使った「モバイルB2C」市場を単独で扱うことになった。同市場は,前年から2倍に拡大し,約1200億円規模に成長。「着信メロディや待ち受け画像など,エンタテインメント系コンテンツを中心に取引が増加した」(同社)ため。また,予測では2006年のB2C市場は約16兆円。そのうち,モバイルB2C市場は3兆円超。モバイルコマースが,B2C市場の底上げに大きく貢献すると見られる。

 なお,調査の正式名称は,「平成13年度電子商取引に関する市場規模・実態調査」。1998年に経済産業省(当時:通商産業省)などが実施した電子商取引市場規模調査から数えて,今回が4回目となる。約5000社にアンケートを郵送し,375件の有効回答があった。経済産業省などでは,「今後は,一般消費者を対象に,C2CやP2P型電子商取引の調査も必要になるだろう」と話している。

関連リンク
▼ 経済産業省
▼ NTTデータ経営研究所
▼ 電子商取引推進協議会

[中村琢磨, ITmedia]

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.