News：XScaleを“あらゆる分野”に――Intel，新製品を発表

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2002年2月27日　02:53 PM 更新

XScaleを“あらゆる分野”に――Intel，新製品を発表

Intelは米国時間26日，XScaleコアを応用したI/Oプロセッサやネットワークプロセッサの新製品を発表した。x86互換以外のあらゆる分野に同コアを用いた統合プロセッサを投入するという同社の方針を，さらに押し進めるものだ。

　Intelは開発者向け会議の「Intel Developer Forum Spring 2002」において，XScaleコアを応用したI/Oプロセッサやネットワークプロセッサの新製品を発表した。

　Intelはx86互換以外のあらゆる分野で，XScaleコアを利用した統合チップのソリューションを展開している。先日，日本ではPDAおよび携帯電話向けのPCA250とPCA210を発表したばかり。また，XScaleコアを採用したネットワークプロセッサも展開してきた。

　今回，RAID装置やSAN（Strage Area Network）向けに追加されたI/Oプロセッサ「IOP321」は，コアモジュールに400MHzおよび600MHz動作のXScaleを採用し，従来のIntel製I/Oプロセッサと比較すると3倍の性能を持つという。

Intelはあらゆる分野にXScaleを用いた統合プロセッサを投入していく計画だ

　インターフェイスは133MHzのPCI-Xに対応しており，従来の同社プロセッサに比べ消費電力は40％抑えられている。各種インターフェイスと低消費電力・高性能のプロセッサを統合することで，オンボードで高性能なRAIDをサーバに追加することも可能だ。400MHz版の単価は1万個あたり54ドル，600MHz版は74ドル。

　また，XScale採用のネットワークプロセッサ「PXAシリーズ」にも新製品が投入され，さらに性能が強化された。加えて，家庭向けゲートウェイ製品用のローエンドチップも発表されている。

　ローエンドのIXAチップは「IXA425」と名付けられており，533MHzのXScaleコアと3つのプログラマブルなパケット処理エンジン，それにLAN，WAN，USBなどのインターフェイスを1チップに統合している。

　パケット処理エンジンは暗号化アクセラレーションやVoIP（Voice over IP）圧縮/復元処理などに対応し，プロセッサの負荷を低減させる。高速のXScaleコアを活かし，セキュリティ機能に対応しながら広帯域のネットワークアクセスに対応するわけだ。

　Intelはこのチップを用いたゲートウェイ製品のフォームファクタを，ベンダーに向けて“ビルディングブロック”として提供するとしており，近い将来，IXA425を搭載した低価格の家庭向け高性能インターネットゲートウェイが登場することになるだろう。

　価格は1万個あたり25ドルから45ドルで，クロック速度に応じた値付けが行われる予定。サンプル出荷は今年第2四半期から第3四半期。

　上位のネットワークプロセッサには「IXP2400」と「IXP2800」が用意された。前者は2.5Gbps，後者は10Gbpsまで，完全にプログラマブルなパケット処理に対応する。IXP2400は600MHz，IXP2800は1.4GHzのXScaleコアが統合されており，それぞれ8個と16個の第2世代マイクロエンジン（並列に動作可能なパケット処理用の汎用性が高いエンジン）を内蔵する。IXP2800は25BIPSの性能を持ち，毎秒6000万パケットをストア＆フォワードで扱うことが可能だ。

　また両ネットワークプロセッサが内蔵するマイクロエンジンを用いた並列処理を容易にするため，「Hyper Task Chaining」というフレームワークを発表した。

新型のネットワークプロセッサを発表する，Intel副社長のThomas Franz氏

　これはパケット処理のための開発フレームワークで，モジュール化されたパケット処理アルゴリズムを組み合わせることで，複数のマイクロエンジンを並列に用いたパケット処理ソフトウェアを容易にカスタマイズ可能になる。

　IPv4用の処理モジュールを開発ツール内でIPv6用へと変更することで，簡単に機器をIPv6対応へとアップデートするデモも行われた。IXP2800とIXP2400はそれぞれ，1万個ロット時485ドル～695ドル，および230ドル～360ドル。第3四半期にサンプル出荷が開始される。

[本田雅一， ITmedia]

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