News 2002年3月14日 08:16 PM 更新

Webサイト構築もバリアフリーを念頭に

ソシオメディアは,バリアフリーなWebサイト構築を支援するソフト「LIFT for Macromedia Dreamweaver」を発売する。バリアフリーに関する各種規格に対応している。

 Webサイトもバリアフリーの時代だ。Webサイト診断ツール販売のソシオメディアは3月14日,Webサイトのバリアフリー度(アクセシビリティ)を診断/修正できるソフト「LIFT for Macromedia Dreamweaver」を発表した。同ソフトは,米UsableNetが昨年12月にリリースした製品を日本語化したもの。バリアフリーに関する各種規格に対応し,「優しいWebサイト作り」をサポートする。

 LIFT for Macromedia Dreamweaverは,マクロメディアのWebサイト制作ソフト「Macromedia Dreamweaver」上で動作し,サイト制作を進めながらアクセシビリテを診断・修正できるのが特徴。「従来のいわゆるアクセシビリティチェッカーではサイト完成後でないと診断できなかった」(ソシオメディア)。

 Webサイトのアクセシビリティを高めるためには,音声ブラウザへの対応が重要になる。音声ブラウザについては,「MacWIRE-D」のコラムに詳しいが,きちんと動作させるには,ALT属性が正しく埋め込まれているかがカギとなる。そこで,LIFTでは画像データのALT属性が必要な箇所に配置されているか検知する「ALTエディタ機能」を搭載した。「従来は手作業で行われていた工程が効率化される」(ソシオメディア)。


首相官邸ホームページを診断

 また,LIFTは,W3Cが定めたWebアクセシビリティのガイドライン「Web Content Accessibility Guideline 1.0」ならびに米国政府が制定した「リハビリテーション法 第508条」対応。さらに,日本政府の「インターネットにおけるアクセシブルなウェブコンテンツ作成に関する指針」も取り入れており,日本語環境で特有の問題(機種依存文字・半角カタカナなど)に関するチェック項目も用意した。

 さらに,「レポート作成機能」では,制作したサイトのアクセシビリティをこれらのガイドラインに照らし合わせ,診断・修正した結果をレポートとしてまとめることが可能だ。


首相官邸ホームページの診断結果。不適合の数が,適合の数を上回っている。アクセシビリティはイマイチのようだが,ソシオメディアによれば「官公庁のサイトに関しては,内部的にALT属性の進めるよう指示が出ており,アクセスビリティは向上している」という

 「視聴障害者の多くは,音声ブラウザを使用しているが,ALT属性のない画像は,それが何かを理解できない。また,音声情報1度に1つしか伝えられないため,障害者が表組やフレーム全体を把握するのは難しいのが現状だ」(ソシオメディア)。

 ソシオメディアでは,Webコンテンツ制作会社や各種教育機関などを販売対象とする。価格は6万5000円。発売日は5月下旬。対応OSはWindows95/98/Me/2000/XPとMac OS 8.6/9.X。店頭でのパッケージ販売のほかに,同社のWebサイト経由でダウンロード販売も行う。2002年末までに3000本の販売を目指す。なお同社では今後,iモードコンテンツの作成基準に関するチェックを行う機能を追加する予定だという。

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[中村琢磨,ITmedia]

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