News 2002年3月19日 08:58 PM 更新

Amazon,音楽コーナーリニューアルで「いきまっしょい!」

Amazon.co.jpの音楽CD販売コーナーがリニューアルオープンした。ジャズ・フュージョン,クラシックが人気の同コーナーだが,リニューアル後は若年層にもうけそうなコンテンツが用意されている。

 先週末,アマゾン ジャパンがオンライン書店「Amazon.co.jp」の音楽CD販売コーナーをリニューアルオープンした。アマゾンによれば,2001年6月より取り扱いを開始した音楽CDを含むエンターテインメント関連の商品の売上げは,Amazon.co.jp全体の売上げ(130億円)の半分を占めるまでに成長。中でも,音楽CDはその牽引役として貢献した。

 コンテンツを強化/拡充した今回のリニューアルは,言うまでもなく,Amazon.comのワールドワイドの戦略であるオンラインリテールビジネス(書籍だけではなく,CD,DVD,PC用ソフト,テレビゲームもフィーチャーする)を国内においても確固たるものにすることにある。だが,実は,もう1つ狙いがあるのだ。

「世間の流行と乖離してたんですよ(笑)」

 エンターテインメントプロダクトマネジャーの原田卓氏は,サービス開始当初のCD販売コーナーについて「サウンド・オブ・ミュージックが売上げトップだったんですよ。音楽業界では,高年齢層にいかにCDを買ってもらうかが命題となっているのに,Amazon.co.jpではいきなりそれを達成してしまった。世間一般の流行とは乖離してたんですよ(笑)」と振り返る。

 CD販売コーナ―ではジャズ・フュージョン,クラシックなどの売上げ比率が大きい。この傾向を示す顕著な例が,小澤征爾のニューアルバム「小澤&ウィーン・フィル ニューイヤー・コンサート 2002」。発売以来,好調な売上げを記録し,発売元のユニバーサルミュージックから,「銀座の山野楽器に次ぐ売上げだった」と評価されたほど。「ジャズ・フュージョンやクラシックの売上げ比率は,普通の店で考えられないほど高い」(原田氏)。原由子の「東京タムレ」も好調だ。

 Amazon.co.jpの利用者は年齢層が高い――世間一般のこうした評価を裏付ける話であるが,最近,こうした傾向に変化が見え始めた。従来のクレジットカード決済に加え,代引での支払いに対応したところ,若年齢層の利用が増えたのだ。この結果,MISIAや宇田多ヒカルの曲が人気ランキングに顔を出すようになる。商品総額が1500円以上の場合は配送料が無料になるもの,若年齢層にとっては嬉しいところだろう。

 冒頭で述べたリニューアルのもう1つの狙いとは,動きが見え始めた若年齢層の拡大にある。新たに設置された「Tokyo Pop Shop」というコーナーでは,J-POPからインディーズまで,Amazon.co.jpの編集陣がフィーチャーしたいユニークなアーティストを集め,若者にうけそうな特集を組んでいる(渋谷系音楽の検証など)。

 実際,CD販売コーナーの売上げならびに予約数に基づく人気ランキングを見てみると(3月19日時点),1位はシルビー・バルタンの「ベスト」。この辺りは,いかにもAmazon.co.jpらしい結果だが,MISIAのベストアルバム「MISIA GREATEST HITS」(4位)や現在予約受付中のモーニング娘。のニューアルバム「いきまっしょい!」(5位)など最新のJ-POPの楽曲もランクインしている。もっとも,「いきまっしょい!」を予約しているのが,若者だけとは限らないが……。

関連記事
▼ 「男性の期待にも応えます!」──アマゾン「愛と官能」担当者に聞く
▼ 書籍・音楽・映像──これでAmazon.co.jpの戦力は十分

関連リンク
▼ 音楽 Amazon.co.jp

[中村琢磨,ITmedia]

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.