News 2002年3月29日 09:25 PM 更新

D60インプレッション――カメラ設定による画質の違いと撮影サンプル

キヤノンEOS D60で実際に撮影を行い,カメラ設定による画質の違いを検証してみた。

 キヤノンEOS D60で,カメラの設定を変えて撮影したり,あるいはシチュエーションをさまざまに変えて撮影したりしてみた。拡大画像はその画質を見てもらうため,データサイズが大きくなっているので注意してほしい

ISO設定による違い

 ISO100〜1000まで変化させた時,どの程度,ノイズが増加するかを調べてみた。撮影はEF50mm/F1.4の絞りをF8にして行った。ホワイトバランスはグレーカードを撮影し,マニュアルで設定した。

 いずれの場合もノイズは非常に低い。ベータ機と比較すると,ISO800以上でのノイズが特に低くなったようだ。また色再現性も良く,D30では出なかった一部の赤色が,D60ではちゃんと出る。緑が多少弱い印象を受けるが,クレパスのカラーなどと比較すると,再現性はかなり高いと思う。空の色が人工的な不自然な色合いになることもなくなった。


ISO100(拡大画像 818KB)


ISO200(拡大画像 867KB)


ISO400(拡大画像 988KB)


ISO800(拡大画像 1.18MB)


ISO1000(拡大画像 1.17MB)

現像パラメータによる違い

 現像パラメータで色合いを変更した場合と,色の濃さを変更した場合を同じ場面で撮影した。それぞれの違いは見ての通りだが,これらのパラメータはそれぞれ1段階しか設定できない点は改善を求めたい。また出力画像のカラースペースもsRGB固定で変更できないのも,上位機種との大きな違いと言えそうだ(デフォルトはISO100と同じ)。


カラー1(拡大画像 819KB)


カラー2(拡大画像 819KB)


色の濃さを薄くした(拡大画像 836KB)


色の濃さを濃くした(拡大画像 805KB)

長時間露光

 軽い三脚で撮影したため風でぶれて輪郭が甘くなっているが,これが撮影側の問題。30秒露光でもほとんどノイズらしいノイズがないのがわかるはずだ。


30秒露光の例(拡大画像 1.69MB 拡大画像は元データのまま載せましたので,横向きになっています)

いくつかのサンプル

 すでに都内の桜は散りかけだが,参考までにいくつかの撮影サンプルを掲載する。撮影条件はExifデータを参照して欲しい。

 五重塔をバックにした桜の木は,デジタルカメラが不得手な場面だ。ダイナミックレンジの狭いD30では,シャドウ部のディテールと太陽光の透ける花びらの色を両方とも残すことが難しかった。しかし,D60では意外にハイライト部で粘る。ほんの僅かの違いであり,EOS-1Dほどのダイナミックレンジはないものの,かなり改善された印象を受けた。

 またこれだけ枝が多いと細かな部分が汚く見えてしまうものだが,画素数が多いためきちんとした描写になっている。一部枝の周囲にリンギングらしき白い縁取りが見えるが,画素数が多いためか印刷してみると全くリンギングらしく部分は気にならない。

 すべてのデータはシャープネスノーマル,現像パラメータはすべて規定値でJPEGのLarge Fineで撮影。レタッチは全く行っていない。なお写真がへたくそなのが,カメラの責任ではないことは言うまでもない。


サンプル1(拡大画像 2.02MB)


サンプル2(拡大画像 2.06MB)


サンプル3(拡大画像 2.66MB)


サンプル4(拡大画像 2.60MB)


サンプル5(拡大画像 2.77MB)


サンプル6(拡大画像 1.98MB 拡大画像は元データのまま載せましたので,横向きになっています)


サンプル7(拡大画像 5.03MB 拡大画像は元データのまま載せましたので,横向きになっています)


サンプル8(拡大画像 2.98MB 拡大画像は元データのまま載せましたので,横向きになっています)

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[本田雅一,ITmedia]

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