News 2002年4月16日 11:43 PM 更新

「IDF Spring Japan 2002」開幕 注目はやはりサーバプロセッサ

インテルの開発者向け会議「IDF Spring Japan 2002」が開幕した。基調講演では,国内初公開というMcKinlyeのデモンストレーションが披露された

 インテルの開発者向け会議「Intel Developer Forum (IDF)2002 Spring Japan」が4月16日,千葉・東京ディズニーリゾート近くのホテルで開幕した。今年2月に米国で開催された「IDF 2002 Spring」同様,主役はサーバ向けプロセッサだ。展示会場では,NECやデルコンピュータ,日本アイ・ビー・エム,日本ヒューレット・パッカード,ならびに富士通の5社が,最新のXeon DP/MP搭載システムを紹介している。


エンタープライズ・プラットフォーム事業本部のTom MacDonald氏

 基調講演にはエンタープライズ・プラットフォーム事業本部のTom MacDonald氏が登場。「2002年におけるエンタープライズ・コンピューティングの展望」と題して講演を行なった。インテルのサーバ向けプロセッサのロードマップは,IDF 2002 Springで詳細が報じられたばかりだが,この日の講演では,国内で初めて,次世代Itanium「Mckinley」のデモンストレーションが披露された。

 デモの内容は,McKinleyを搭載した複数のプラットフォームをスイッチドファブリック接続技術「InfiniBand」でクラスタリング接続し,IBM DB2でデータベース処理を行うというもの。MacDonald氏は,「大規模なエンタープライズ向けソリューションを64ビットで行う画期的なものだ」とアピールした。  


クラスタリングのシステム構成図

 また,展示会場ではNECが,1GHz動作のMcKinleyを搭載したサーバのデモンストレーションを披露。NECでは,最大32CPU(クラスタリングでは最大512CPU)を搭載可能なMcKinleyサーバを開発。HP-UX 11i,Windowes .NET Limited Edition,ならびに64ビット版Linuxでの動作を確認しているという。


NECのMcKinleyサーバは,4CPU搭載の「CELL」×8を内部接続し,32CPUを構成する。ターゲット市場は,大規模エンタープライズシステムやハイエンドHPCスカラサーバなど

 McKinleyは,今年後半にi870チップセットと共に登場。来年には,McKinleyの次世代プロセッサであるMadisonが0.13ミクロンプロセスで登場する。2004年には,製造プロセスが0.09ミクロンまで進んだMontecitoへと繋げていく計画だ。また,世代的にはMadisonと同一世代になるデュアルプロセッサ専用のDeerfield,そして低消費電力プロセッサのBaniasが2003年中にリリースされる見込みだ。

ムーアの法則を“超える”

 また,基調講演には米Intel副社長兼最高技術責任者(CTO)のPat Gelsinger氏が登場。「ムーアの法則を超えて」と題して講演を行なった。

 Gelsinger氏はまず,IDF 2002 Springの講演内容をおさらい。「テラヘルツ・トランジスタ」「BBUL」(Bumpless Build-Up Layer)や「EUV」(極紫外線)露光技術など,ムーアの法則を“継続”する技術を解説すると,続いて,講演の題名でもあるムーアの法則を“超える”ためのキーワードとして「ワイヤレス」「センサ」「オプティカル」の3つを挙げた。

 「MEMS(Micro-Electro Mechanical System)によって,インテルの全てのチップに無線技術が搭載されるようになり,センシング,コンピューティング,コミュニケーションを統合することで,構成を自動更新しながら自律的にネットワークを構築する“コミュニケーション・コンピューティング”が実現される」(同氏)。

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[中村琢磨,ITmedia]

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