News | 2002年4月17日 07:53 PM 更新 |
ヤマハの“光る”ギター「EZ-EG」は,ネック(棹)部分に弦がないという不思議なギターだ(ヤマハではギターではなく,「イージーギター」と呼んでいる)。
弦の代わりに,フレットごとに光るスイッチを装備。楽曲のコード進行にあわせてスイッチが光り,その動きを指で追っていけば,演奏ができる(スイッチを押せば音が鳴る)――という仕組みになっている。シンセサイザーでは,鍵盤が光るという製品があるが,それのギター版と思えばいい。
これだけだと,「スイッチ押さえるだけなんてつまらない」とツッこまれそうだが,EZ-EGにはさらに,ボディ部分の弦“センサー”を弾くだけで演奏できるモードも用意されている。やはりギターは弦を弾かなければ気分が出ない。
プリセットされている曲にあわせて,タイミング良く弦を弾けば,「誰にでもコード演奏が可能」(ヤマハ)という優れものだ。また,タイミングを外すと全く演奏にならなかったり,ピッキングの強弱で音量が変わるなど,細かいところで意外に本格指向なのである。「ある程度,利用者に学習させる機能を付けることで,簡単には飽きないようにした」(ヤマハ)。
このEZ-EGは,限定受注生産型ショッピングサイト「たのみこむ」で募集した消費者の意見をもとに開発されたネット生まれの商品。ヤマハが,商品企画過程の初期段階から情報をネット上で公開し,消費者とともに仕様を固めてきた。昨年末に試験販売を行ったところ,好評だったことから,今回,正式に商品化することになった。
価格はオープンプライスだが,ヤマハのWebサイト「EZ-EG」では,2万4800円で販売する。同サイトでは限定100本で4月18日より先行予約を受け付け,5月中旬より購入者に発送する。店頭での販売は6月1日からだ。
「1970年代に青春を謳歌した層が,ギターに対して“また弾いてみたい,しかし本格的な練習をするのは大変”といったイメージを抱いている。経済的に余裕もでてきたところで,ギターを演奏している気分を味わいたいというニーズはある」(ヤマハ)。実際,試験販売では応募してきた人の7割が30〜40代だったという。
また,このEZ-EG向けのサービスとして,4月17日より「ネットで歌本」の試験運用が開始された。
ネットで歌本は,伴奏にあわあせて歌詞とコード名が表示されるというサービス。ヤマハが昨年7月に開始した「パソカラホーダイ」と同じく「ストリーミングMIDI」方式を採用し,XG音源(推奨)搭載PCでサービスを利用することが可能だ。
料金は月額600円(試験サービス中は無料)。正式サービスは5月中旬に開始する予定で,その際にはには200曲をラインアップする。また,年内に1500曲,2003年中に3000曲に曲数を増やす計画だ。 ネットで歌本でダウンロードしたMIDIデータは,USB-MIDIインタフェースなどを介してEZ-EGに送信することができる。プリセットの内蔵曲は30〜40代を狙ってフォークソングに片寄っているので,若者にとってはなかなか重宝しそうなサービスだ。なお,EZ-EGのメモリ容量は500Kバイトで,曲数にすると3〜10曲分になる。「MIDIデータはPCに保存しておいて,必要なときに必要なだけEZ-EGに移すといった使い方を想定している」(ヤマハ)
また,ネットで歌本は基本的に定額制のサービスだが,ヤマハによれば「EZ-EG利用者向けに従量制ダウンロードにも対応する予定」だという。
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光るギター「EZ-EG」のサイト
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