News 2002年4月17日 02:15 PM 更新

PDAライクな超小型Windows PCを提案するOQO

モバイルPCのキーデバイスを,考えられる限りすべて詰め込んだOQOのPC。同社はこの製品を単体のPDAとしてではなく,さまざまな情報のコアデバイスとして家電業界に売り込んでいく。

 OQOは,Transmetaの低消費電力プロセッサCrusoeを利用した超小型のWindows PCをアナウンスした(別記事参照)。製品の名称と呼べるものはないが(ここでは,仮にOQO PCと呼ぶことにしたい),その製品は新しいアイディアに溢れるものだった。OQOはOQO PCのハードウェアデザインやユーセージ(使用法)モデルなどを製造者に提供していく。現在,大手家電ベンダーや台湾の製造者とビジネスを進めている段階という。


超小型Windows PCのメカニカルサンプルを手にしたOQOのCEO Jory Bell氏。MIT卒業後,AppleでPowerBook G4の開発に関わったという。大のアニメ好きで東京にも何度かやってきているとか

 OQOが示した新しいハードウェアデバイスは,Windows XPが動作するフル機能のPCをPDAと同じスタイルに収めたものだ。きょう体は105×74×22ミリ(4.9×2.9×0.9インチ,いずれも同社サイト記載の数字)のアルミ製で,重さは250グラム以下。プロセッサとしてTM5800(最高1GHz),4インチVGAディスプレイ,タッチスクリーン,東芝製1.8インチ10Gバイトハードディスク,256Mバイトメモリ,オーディオ機能,USB 1.1インタフェース,6ピンIEEE1394ポート,802.11bおよびBluetooth,リチウムポリマーバッテリーを内蔵し,キーボードやディスプレイなどの各種周辺機器などとの接続を行うためのOQO-Linkコネクタを備える。

 まさに,モバイルPCのキーデバイスを,考えられる限りすべて詰め込んだ製品と言えるが,一方で「こんなハードウェアをどうするの?」という疑問も沸いてくるはずだ。OQOはこの製品を単体のPDAとしてではなく,さまざまな情報のコアデバイスとして家電業界に売り込んでいく。

 ホットプラグが可能なOQO-Linkを使えば,キーボードやディスプレイを持つユーザーインタフェースデバイスにOQO PCを挿入するだけで,そのままPCとして利用可能にしたり,ノートPCの中にOQO PCを挿入して利用するといったことを考えているという。また,デジタル家電の中にOQO PCを挿入し,家電からOQOの機能を利用するといったことも可能だろう。

 例えば自宅でOQO PCをキーボード,ディスプレイ付きで通常のPCと同じように使い,外出時には本体だけを切り離してPDAとして利用。会社や出張先でOQO対応端末を見つけて挿入すれば,普段と変わらない操作環境で仕事を行うこともできる。さらにデジタル家電に挿入すれば,自分がWindows XPで管理している情報やメディアをいつでも活用可能になる。PCのストレージやプロセッサなどの主要部分をモジュールとして持ち歩くことで,自由度の高いモバイル環境が実現される。


PDAライクなサイズながらWindows XPも動作する新デバイス。バッテリはMPEG2再生で2時間,MP3再生で7時間の連続駆動が可能

 OQOはOQO PCと同時にOQO-Linkを搭載したデバイスを増やすことで,ディスプレイ付きのコンピュータモジュールを用いた用途提案を行い,プラットフォームとして普及させたい考えのようだ。米国での製品発表は今年後半,価格は1500ドル前後を予定している。

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▼ OQOホームページ

[本田雅一,ITmedia]

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