News 2002年4月18日 00:00 AM 更新

ユーザーがHDDを交換できるHDDビデオレコーダ「Rec-On」

アイ・オー・データ機器が,HDDユニットをユーザー自身で自由に交換できるHDDビデオレコーダ「Rec-On」と,BSデジタルハイビジョン放送対応のレコーディングHDD「Rec-POT」を発表した。

 アイ・オー・データ機器は4月18日,HDDが交換可能なHDDビデオレコーダ「Rec-On」と,BSデジタルハイビジョン放送対応のレコーディングHDD「Rec-POT」を発表した。Rec-Onは,80GバイトHDDを搭載した「VR-HDA80」と,40Gバイトの「VR-HDA40」の2機種があり,4月25日から発売。Rec-POTは,80Gバイトの「HVR-HD80」が4月26日から発売される。価格はオープンだが,実売予想価格はVR-HDA80が8万円前後,VR-HDA40が7万円前後,HVR-HD80が5万円前後になる見込み。

ユーザーがHDDを自由に交換できるHDDビデオレコーダ「Rec-On」


HDDビデオレコーダ「Rec-On」

 これまでのHDDビデオレコーダは,HDDが本体に内蔵されていたため,増設HDDも含めて基本的にユーザーが自由に交換することができず,ライブラリ的な用途には不向きといわれていた。

 Rec-Onの最大の特徴は,HDDユニットがユーザー自身で自由に交換が可能なセパレートタイプとなっている点だ。同社が3月から発売しているi・CONNECT専用HDD「HDA-i80」(80Gバイト)および「HDA-i40」(40Gバイト)を,交換用HDDとして使うことができる。「PCショップなどで実売2万〜3万円弱で入手できるこのHDDを交換することにより,従来できなかったライブラリ的な使い方ができるようになった」(同社)。



i・CONNECT専用HDDを交換用として利用

 録画方式はMPEG-2で,80Gバイトの場合,LPモード(3Mbps)で最大約60時間の録画が行える。「HQモード(12Mbps)では,DVDビデオを超える高画質で録画できる」(同社)。

 メディア容量,画質モード別の最大録画時間は以下の通り。

HDD容量80Gバイト40Gバイト
HQモード(12Mbps)約15時間約7.5時間
SPモード(6Mbps)約30時間約15時間
LPモード(3Mbps)約60時間約30時間

 もちろん,HDDビデオレコーダならではの機能も豊富だ。音声付きの2倍速再生が行える「早見再生」,素早い頭出しで録画番組を好きな順番に再生できる「プログラム再生」,録画を続けながら番組を巻き戻して再生できる「タイムシフト再生」,途中停止した番組を停止場所から再生できる「レジューム再生」といった多彩な再生機能を備える。


Rec-Onに標準添付のリモコンで,各種操作を行う

 また,地上波テレビチューナーを搭載しており,Rec-On単体でテレビ録画が可能。付属のリモコンを使い,TV画面に映し出されるメニュー画面にしたがって録画予約や,プログラム再生の登録,プレビュー画面を見ながらの番組検索といった操作ができる。


TV画面に映し出されるメニュー画面にしたがって録画予約などが行える

 さらに,PC周辺機器メーカーならではの機能がPCとの連携だ。USBインタフェースを介して,PCに録画した映像を転送することができる。また,PCに表示したEPG(電子番組表)からも録画予約が可能なほか,外出先のPCやi-modeなどの携帯電話から遠隔操作で録画予約ができる(Rec-OnがPCに接続時)。MPEGビデオ編集ソフトや録画予約ソフトも標準で添付した。

 本体の大きさは127(幅)×127(高さ)×187(奥行き)ミリ,重さは2.7キロと軽量コンパクト。「HDDビデオレコーダとしては,世界最小クラス」(同社)。


HDDビデオレコーダとしては,世界最小クラス

 このRec-Onは,昨年9月のWorld PC Expo2001に参考出展されていたもの。ユーザーで交換可能なセパレートタイプのHDDやコンパクトなボディ,PCとの親和性の高さなどから,話題となっていた商品だ。

 製品化が待ち望まれていたが,お披露目から実に半年以上も経過しての発売となった。商品化が遅れた理由について「当初の目標は冬季オリンピック(今年2月)までだったが,MPEG画質の改善や,家電並みの操作性・信頼性を追求するあまり,予想以上に遅れてしまった。しかし,今回の新製品はデジタル情報家電時代における“当社の戦略商品”と位置付けているため,しっかりとした製品を作りたかった」(同社)と語る。

BSデジタルハイビジョン放送対応のレコーディングHDD「Rec-POT」


レコーディングHDD「Rec-POT」

 Rec-POTは,BSデジタルチューナーやBSデジタルチューナー内蔵ハイビジョンテレビ,CSチューナーなどとi.LINK(IEEE1394)ケーブルで接続することで,デジタルハイビジョン放送を劣化なしに高画質のままデジタル録画することができる。業界初となるD-VHS互換モードや,SONY製チューナー(内蔵TV)のDISCモードに対応しており,幅広いBSデジタル放送機器で利用することができるほか,録画した番組をD-VHSテープにデジタルダビングすることも可能。DTPC著作権保護対応でWOWOWなどの録画も行える。

 「各社のさまざまなBSデジタル放送機器に対応したHDDレコーディングシステムとしては世界初」(同社)。


BSデジタル放送機器とはi.LINKで接続

 HDDの容量は80Gバイトを装備し,高画質なBSデジタルハイビジョン放送を7時間以上(HDレート),標準テレビ放送を21時間以上(SDレート)録画することができる。i.LINKのディジーチェーン方式で,Rec-POTを複数台接続することも可能。サイズは116(幅)×77(高さ)×186 (奥行き)ミリ,重さは約1.5キロと,軽量・コンパクトに仕上がっている。

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