News | 2002年4月18日 11:26 AM 更新 |
Microsoftが米国シアトルで開催中の「WinHEC 2002」で,乱立する書き換え可能DVDメディアの中でもDVD+RWを強力に推している。同社はビデオ録画/編集アプリケーション向けの光記憶装置の現状について,シンプルさに欠けると指摘。エンドユーザーがより簡単にビデオアプリケーションを利用できるように,ターゲットとするメディアフォーマットをDVD+RWに絞っていく考えを明らかにした。
また次世代CD-RWフォーマットのMt.Rainierについて言及し,近い将来リリース予定の追加モジュールを用いることで,Windows XPでMt.Rainierフォーマットのディスク読み出しをサポートすると話した。
Mt.RainierはCD-RWをターゲットにした,次世代のパケットライティングフォーマット。セクタ管理など一部の管理タスクをドライブ側に持ち,パケットライティング制御を行うコマンドセットなども統一仕様としてまとめている。Mt.Rainier対応ドライブと対応OSが普及すれば,CD-RWを,フロッピーディスクのように相互運用性が高く,エンドユーザーにとっても操作しやすい書き換えメディアとして利用できるようになる。
Mt.Rainier対応のCD-RWは「CD-MRW」と呼ばれ,既にアドオンのMt.Rainier対応パケットライトソフトと共に製品が登場している。Windows XPのMt.Rainier対応はリリースに間に合わなかったものの,いよいよ(読み出しのみながら)標準サポートが開始されるわけだ。
さらにMicrosoftは,2004年後半のリリースが予定されている次世代Windowsの「Longhorn」で,UDFに完全準拠したMt.Rainierの読み書きをサポートする。また,現状は固定のAPIでサポートしているCD書き込み機能も,APIサーフェイスと実際に書き込みを行うエンジン部分に分け,サードパーティ製の書き込みエンジンを共通APIを通して利用可能になるという。
Longhornでは,DVD+RWをMt.Rainierと同じユーザーインタフェースから利用可能になる。もともとDVD+RWの仕様にはMt.Rainier開発の主要メンバーであるPhilipsとソニーが関わっており,パケットライトの扱いがMt.Rainierと非常によく似ている。Microsoftの担当者はCD-MRWに引っかけて,「いわば“DVD+MRW”のようなもの」と,DVD+RWドライブを評している。
Longhornの登場が2004年後半の予定であるため,ここですべての分野についての動向を断定することはできないが,少なくともPCの世界では,将来のWindowsで読み書きが自由に行えるDVD+RWが標準の地位を築くことになりそうだ。
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