News 2002年4月23日 02:16 PM 更新

アドビの「Photoshop 7.0 日本語版」,5月下旬発売

Mac OS X対応の「Photoshop 7.0 日本語版」が5月下旬に発売される。新たに,「ファイルブラウザ」と呼ばれるファイル管理機能や,写真の“ゴミ”を簡単に消せる修正ツールが搭載された。

 アドビ システムズは4月23日,画像編集ソフトの最新版「Adobe Photoshop 7.0 日本語版」を発表した。5月下旬より販売を開始する。価格は,通常パッケージが9万6000円,Photoshop日本語版登録ユーザー向けのアップグレードパッケージが2万5000円となっている。


 対応OSは,Macintosh版がMac OS 9.1/9.2,Mac OS X v10.1.3(必要システムはPower PC G3/G4,128Mバイト以上のメモリ)。Windows版は,Windows 98/98SE/Me/2000/NT4.0/XP(必要システムはPentium III/4クラスのCPU,128Mバイト以上のメモリ)。

強化されたファイル管理機能

 Pohotshop 7.0の新機能の1つに,「ファイルブラウザ」がある。同じくアドビの画像処理ソフト「Photoshop Elements」には既に搭載されているが,Photoshop 7.0ではElementsのように画像をサムネイル表示するだけでなく,ファイルブラウザ上で画像の回転やバッチ作業によるファイル名の変更,並び替えといった処理が行えるようになっている。

 また,ファイルブラウザでは,それぞれの画像について,作成日や修正日,ファイルサイズ,EXIF(Exchangeable ImageFile)といったメタデータを表示可能だ。


ファイルブラウザのウインドウには,ツリー表示枠,プレビュー枠,メタデータ枠,サムネール枠が表示される。ウインドウ下部には,ソートや表示方法の変更(画像サイズなど),ならびに画像回転用のメニューが並ぶ

 これまで,Photoshopにはこの手の画像管理機能がなかったのが不思議なくらいであるが,ファイルブラウザ機能がアドビが目標とする「作業効率の向上」に大きく貢献することは間違いない。

しわが簡単に消せる「修復ブラシ」

 既に有名になっているが,Photoshop 7.0の大きな特徴として,「Healing Brush」が挙げられる。日本語版では,「修正ブラシ」と呼ばれるこの機能は,ダストやスクラッチ,傷などを修復するものだ。


まず,おでこの皺を消してみる


ツールボックスから「修正ブラシツール」を選択。まず,しわがない部分を「Altキー」を押しながらサンプルポイントに指定する。次に,マウスカーソルを修復したい場所に持っていき(この場合は目じり),ドラッグして上塗りする。ここまでだと,トーンやカラー値が違うので,違和感がある


ここで,マウスボタンをリリースすると,周囲とブレンドされる。自動的に周囲と濃淡をあわせてくれる。これまで,しわを消したりするにはなかなか苦労したものだが,Photoshop 7.0があればこの通り簡単だ。また,アドビによれば,ブレンドが上手くいかない場合は,高いコントラストのエリアを避けるか,選択ツールを使って修正カ所を隔離しておけば良いという

 また,皺を消すといったピンポイントの修正ではなく,広範囲にわたって画像を修正したい場合には,ツールボックスの「修正ブラシツール」にある「パッチツール」を使えば良い。

新しいペイントエンジン

 また,Photoshop 7.0は新しいペイントエンジンを搭載。インタフェースも改良した。これによってブラシツールの使い勝手が大幅に向上している。

 具体的には,ブラシパレットでシェイプ,傾き,間隔,散布,ジッター,テクスチャなどの属性を調整し,カスタムブラシとして保存しておくことができるようになった。また,「ドライ」「ウェット」という2種類のブラシ効果を使って,パステル調や木炭調の表現が可能になったほか,「草」「葉」などの特殊効果が追加されている。


「ブラシ」パレットには各種パターンがプリセットされている。ここでブラシの直径を変更することも可能


このような紅葉のグラフィックもブラシツールで簡単に作成することができる

 「2種類の異なるブラシを混合することで無限に近い種類のペイント効果を生み出せる」(アドビ)。また,Photoshop 7の新型ペイントエンジンは,Photoshopユーザーに利用者が多いワコムのペンタブレットの筆圧入力にも対応している。

関連リンク
▼ アドビ システムズ

[中村琢磨,ITmedia]

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