News | 2002年5月1日 01:57 PM 更新 |
いつもながら,玩具メーカーには驚かされる。玩具のハイテク化が著しいとはいえ,今度は,2足歩行ではなく,2足走行ロボットが登場した。しかも,1000円程度で売られている。ソニーのペットロボット「AIBO」が走行実験に成功したと騒いでいる一方で,玩具メーカーは既に,2足走行を可能にしていたのだ。さて,その実力は如何に?
2足走行を謳い文句にしているのは,「グランドランナー」(セガトイズ)と「爆走ロボ」(トミー)である。それぞれ,ダッシュタイプやスパートタイプなど,モーターの特性に合わせた商品バリエーションを展開しており,記者が購入したのは,グランドランナーでは「マッハスタリオン」,爆走ロボでは「ラッジオ」というもの。ともに,最高速度を競うタイプである。競争させるなら,早い方が面白い。
グランドランナーと爆走ロボはデザインが全く違う。グランドランナーは長くの伸びた脚が特徴的(セガトイズによれば「セミロングレッグ」というらしい)で,爆走ロボはずんぐりむっくりしている。逆に,共通していることといえば,両方ともやたらに足がデカイ。特にグランドランナーは全長が爆走ロボの1.5倍ぐらいあるので,それに比例して足のサイズも大きくなっている。手っ取り早く走らせるには,やはり足を大きくするのが効果的だ。
そろそろ,実際の走りを見てみようと思う。スライドが大きいグランドランナーのほうが速そうだが,本当に走れるのか一抹の不安が残る。一方,爆走ロボは,雰囲気だけは速そうだが(背中にジェットエンジンの噴射口まで付いてる)……。
スイッチを入れ,動きだしたところで床に置く。すると,両者は非常に対称的な走りを見せた。グランドランナーは,確かに走ってはいるのだが,ペースは非常にゆっくり。競歩といったところだ。走行中は膝がちゃんと動いていたり,腕を振っていたりと,本格的な仕上がりになっている。
一方の爆走ロボはというと,驚異的なスピードでグランドランナーを引き離したのだが,走っているというよりも,「小走りで高速移動している」かんじ。どことなく,ゴキブリがカサカサ移動するさまを思い浮かべてしまう。
パートナーロボット博覧会「ROBODEX」に見るように,ロボット業界は現在,2足歩行ロボットの開発に熱心である。それらと比べれば,当然ながらグランドランナーや爆走ロボは見劣りするどころか,子どもだましのレベルかもしれない。
だが,こうした玩具ロボが優れているのは,ちゃんと“遊び方”を用意している点である。ただ単に,「走ること」をウリにするのではなく,それでどうやって遊ぶかということを提案しているのだ。例えば,セガトイズは,グランドランナーを使った「TGR公式種目」(TGRは,Team Grand Runnerの略)としてタイムアタック競技や,正確な射出を競う「タックルボーリング」を提案しているほか,爆走ロボでは,2台のロボットで戦う「バトルモード」が用意されている。
さて,TGR公式種目で全国優勝するために本格的に練習に励むとするか(もちろん,例の秘密基地で)。
関連記事
ソニー,走る「Running AIBO」を開発中
関連リンク
トミー
セガトイズ
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.