News 2002年5月14日 04:22 PM 更新

個人のメールにも電子証明書――ベリサインが新サービス

日本ベリサインは個人を対象にした電子証明書発行サービスを開始するほか、ドメイン登録事業といった新規事業を立ち上げる

 日本ベリサインは5月14日、個人ユーザーを対象とした電子証明書発行サービスを開始すると発表した。富士通「@nifty」、NEC「BIGLOBE」、NTTコミュニケーションズ「OCN」など国内大手ISP7社と提携し、7月より各ISPを通じて共同ブランドでサービスを提供する。

 個人証明書発行サービスの内容は、1)電子メールへの署名・暗号化、2)電子ファイルへの署名、3)ベリサインの「クラス1証明書」に対応したSSL方式によるクライアント認証――の3種類。具体的な適用例としては、オークションサイトやネットゲーム、コンテンツ配信、ならびに個人向けPIMサイトなどが考えられるという。なお提携ISPには、上記のほかに、インターネットイニシアティブ「IIJ4U」、ドリーム・トレイン・インターネット「DTI」、丸紅テレコム「famille」、グローバルソリューションズ「VECCEED」「ゲートウェイネット」がある。また、サービスの詳細な品目や価格に付いてはISPごとに異なるという。

 日本ベリサインによれば、同社の2001年度の売上高は21億7300万円。ウェブサーバ用証明書発行数は1万6000件以上、クライアント用証明書発行枚数は55万枚以上、企業認証局は国内で100システム以上になる。これらは、企業向けに提供しているサーバ証明書発行サービスや電子証明書発行認証局サービスによるもの。今回、個人向け市場に参入するのは、「インターネットユーザーが爆発的に拡大し、ブロードバンドの普及でオンライン取引きも活発になってきた。改めて、ネットの信頼性が重要になってきている」(日本ベリサインの川島昭彦社長)からだ。

 「あまり知られていないが、個人情報の漏えいについては不安に思っている個人ユーザーが多い。日本の消費者の75%が個人情報の漏えい・悪用について不安を感じているという調査報告もある。今回の新サービスによって、盗み見や発信者のなりすまし、情報の改ざんといったリスクを排除できる」(川島社長)。

ドメイン登録から決済まで

 またベリサインは同日、新規事業としてドメイン登録事業ならびにオンライン決済サービスを立ち上げると発表した。従来の電子証明書発行サービスに加え、これら新規サービスを追加することで、「オンライン事業者がネットビジネスを展開する際に必要な機能をワンストップで提供する」(ベリサイン)。

 ドメイン名登録事業は、経営再建中のアスキーから資産譲渡を受け、5月27日より「ベリサイン ドメインネームサービス」として提供する予定。「.com」「.net」「.org」「.info」「.biz」の4種類のgTLDを登録可能。なおベリサインによれば、アスキーの「アスキーストア ドメインネーム サービス」を通じて登録・更新したドメイン名に関する権利については「何ら変更はない」(同社)という。また、オンライン決済サービスについては、NTTコミュニケーションズとの業務提携。NTTコムのオンラインクレジットカード決済システム「Livuy」を「ベリサイン ペイメント サービス」として7月1日より提供する。


新サービス立ち上げ後のベリサインサービスの概念図

 なおベリサインでは、新規事業立ち上げを受け、新たに「マスマーケット営業部」を新設。営業力の強化を図るとしている。

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[中村琢磨, ITmedia]

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