News 2002年5月16日 11:42 PM 更新

PC用キーボードの“隠れたブランド”――ALPSキーボード

ノートPC用キーボードユニットなどで高いシェアを誇るアルプス電気。日本初の量産型電卓用キーボードスイッチなど、はやくからキーボードに取り組んできた同社は、PC用キーボードの分野で隠れた“ブランド”となっている

 15日から行われているプライベートショー「ALPS SHOW 2002」の会場には、各種メモリカード用のコネクタやノートPCのポインティングデバイスとして定着しているグライドポイント、PC関連向けデバイスが数多く展示されている(5月15日の記事を参照)。その中に、PCメーカー向けにOEM供給しているキーボードユニットが、わりとひかえめに展示されていた。

 同社が1948年に創業した時の看板商品は、短波ラジオのバンド切り替えなどに使われたロータリースイッチだった。以来同社は、“スイッチのALPS”として世界に誇る部品メーカーとなっていく。


創業時の看板商品ロータリースイッチ

 キーボードも、実はスイッチの集合体。同社は1965年に、電卓用キーボード向けに日本初の量産型リードスイッチ(キーボードスイッチ)を開発。この技術が、ワープロやPC用キーボードの基礎を作った。

 このように早くからキーボードに取り組んできた同社は、PC用キーボードの分野で隠れた“ブランド”となっている。特にデスクトップ用のメカニカルキーユニットは、IBMのバックリングスプリング方式と同様に、メカクリック好きのユーザーに支持されている逸品だ。以前はDellやアップルなど多くのメーカーに採用されていたが、「最近はコスト高になることもあり、メカクリック方式がメーカー製PCに採用されることはない」(同社)。

 1998年頃まではデスクトップ用キーボードの4割以上を同社製が占めていたが、近年は台湾などアジアメーカーの台頭による価格競争からシェアも下がり、現在は1割前後となっているという。

 かわりに現在シェアを伸ばしているのが、ノートPC用キーボードユニット。現在、ノートPCの4割以上が同社製を使用しているという。国内でも東芝、富士通、ソニーと、採用メーカーは多い。今回の展示会でも、同社独自のシザース・メカニズムを採用して“薄型化”と“操作性の高いキータッチ”を実現したノートPC用キーボードユニットが展示されていた。


各社がALPS製ノートPC用キーボードを採用

 しかしこのようなキーボードに関する独自技術も、特許を申請しているにもかかわらずすぐにアジアメーカーが模倣。PCメーカー側も価格の安いアジア製を採用していく、という状況が繰り返されているという。

 「キーボードに関する技術特許はかなり持っているのですが、当社は特許侵害に対して訴訟するという社風があまりないようです(笑)。だから、アジアメーカーが真似をして、どんどん安いものが出回っていく。キーボードは儲かりませんね」(キーボードユニットコーナーの担当者)。

 さて、メカクリックをこよなく愛する筆者は、ALPSブランドのメカニカルキーボード復活を担当者に直訴した。

 「う〜ん、私も個人的には復活させたいのですが難しいですね。もし今作ったら、数万円になってしまうかもしれません。何万台も売れるというのなら話は別ですが……」(同担当者)。

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[西坂真人, ITmedia]

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