News:ニュース速報 | 2002年5月21日 03:53 PM 更新 |
部屋に干した洗濯物のあのイヤなニオイ(部屋干し臭)の原因を解明──ライオンは5月21日、部屋干し臭の原因物質を特定したと発表した。
同社の調査によると、花粉症や長雨、集合住宅で干場がないなどの理由から部屋の中に洗濯物を干している人は84%。ただ「乾きにくい」「イヤなニオイがする」といった不満が高い。「イヤなニオイ」は「雑巾」「生臭い」など表現はさまざまだが、原因物質は特定されていなかった。
同社は部屋干し臭の原因を解明するため、約5年間着用と選択を繰り返したジーンズを、部屋の中と同様に衣類が乾きにくい条件(温度25度、湿度90%)に3日間置いたものをサンプルとし、ニオイを分析した。
その結果、部屋干し臭は(1)中鎖アルデヒド、中鎖アルコール、ケトンや、窒素化合物、硫黄化合物、脂肪酸などからなる複合臭。いずれも体から分泌される皮脂やタンパク質が分解して生成される(2)アルデヒドなどによる「カビ臭いニオイ」、窒素化合物による「生臭いニオイ」、中鎖脂肪酸による「酸っぱくて汗っぽいニオイ」などに分類される──ことが分かった。
このうち、部屋干し臭を特徴づける「キー成分」は中鎖脂肪酸であることを突き止めた。中鎖脂肪酸は汗や山羊乳チーズのニオイに含まれることで知られている。
またイヤなニオイは着用・洗濯を繰り返した衣類で発生し、おろし立ての場合は発生しない。このことから部屋干し臭は、皮脂汚れやタンパク質汚れが原因となり、汚れ自身の化学的な分解、菌による作用、室内の高温度条件で生成すると推測した。
同社は2001年10月、部屋干し臭を抑制する酵素を活用した「部屋干しトップ」を発売、ヒットしている。今回の成果は5月22〜24日に都内で開かれる繊維学会で発表する。
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[ITmedia]
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