News | 2002年5月29日 10:53 PM 更新 |
東京ビッグサイトで5月29日、「LinuxWorld Expo/Tokyo 2002」が開幕した。今や、エンタープライズ市場への浸透が重要課題になっているLinuxだけに、展示会場には、コンシューマー向けの製品はほとんど見当たらない。2年前ぐらいだと、富士通のノートPC「Loox」にLinuxをインストールしてDVD再生ソフト「LinDVD」(「WinDVD」のLinux版)を動かすといったデモも見られたものだが、このイベント自体も、そうした流れを受けて完全にビジネス指向になっている。
記者にとってLinuxWorldで唯一の楽しみだった日本アイ・ビー・エム(IBM)のLinux搭載腕時計「Watch Pad」も今回は展示されていなかった。受付の人に「その代わりに」と紹介されたのが、Linux搭載の自動販売機。Linux搭載PDA「ザウルス」と組み合わせて決済を行えるというシステムだ。さらに、自販機の整備員がザウルスを使って、売れ筋の商品などを確認することもでき、既に、米国のホテルでは一部で実験的に導入されているという。
また、日立情報制御システムのブースでは、Linux搭載小型Webサーバ「CH-2100」を使い、同様に自動販売機の売上・品切情報管理システムのデモンストレーションが行われていた。こちらは、IBMのように実際に自販機を持ち込んでいるわけではなく、PC上でシミュレートしているだけだ。「見栄えがいいので自販機のデモをやっているが、実際の用途としては、空調管理や電力量計測など、ビル管理システムが多い」(同社)。
NTT-MEは先日、Linux搭載のホームサーバ「Living Gate i」を発表したが、NECは展示会場で同様のシステムを展示している。「組込Linux搭載カスタムコンピューティングプラットフォーム」と呼ばれるもので、カメラサーバ機能を備えているのが特徴。ただ、これはあくまでプラットフォームであり、NTT-MEのようにパッケージ化して販売するわけではない。「介護サービスやセキュリティなど、用途ごとにアプリケーションを開発することで、顧客ごとのニーズにあわせた端末を提供することができる」(同社)。
また展示会場では、ゲメックスの超小型Linuxサーバ「SERVER THE BOX」がその個性的なデザインで注目を集めていた。標準色のオレンジに加え、青、黄、白のほか、ヒョウ柄のバージョンまで用意している。同社によれば、やはり「SOHOのほか、個人ユーザーの購入が中心」とのこと。デザインは可愛らしいのだが、さすがに企業での導入は、はばかられるのだろう。なお7月には、SERVER THE BOXの新モデルとして、HDD容量やメモリなど基本仕様を強化したモデルが発売される予定だ。価格は26万円〜。
LinuxWorld Expo/Tokyo 2002の開催期間は5月31日まで。入場料は3日間共通券で3000円。時間は午前10時〜午後6時まで(最終日は午後5時まで)。
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[中村琢磨, ITmedia]
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