News 2002年6月3日 07:58 PM 更新

AMD、COMPUTEXでOpteronのデモを公開

AMDがCOMPUTEX TAIPEI 2002において、次世代主力64ビットプロセッサOpteronによる4Wayマルチプロセッシングシステムのデモを行った

 AMDは3日、「Opteron」を用いた4Wayマルチプロセッシングシステムのデモを、この日から台北で開催されている「COMPUTEX TAIPEI 2002」の会場に隣接する、Grand Hyatt Taipeiの特設会場でプレス向けに行った。

 同社は、例年COMPUTEX TAIPEIの開催に合わせ、新製品やプレス発表を行うのが恒例となっている。今回のそれは、同社がサーバ、ワークステーション向けの次世代64ビットプロセッサとして位置付けているOpteronプロセッサによるものだった。デモは4Wayプロセッサ・64ビット対応Linuxの環境で行われ、今後のサーバ用途に向けたAMDの戦略を感じさせるように、Webサーバを稼動させていた。


台湾AMD(左2名)とAMD本社からのプレゼンター(右3名)


Opteronプロセッサ


第8世代Athlonプロセッサ

 従来のAthlon XPやAthlon MPプロセッサが、シングルや2WayまでのPCシステムしかサポートしていなかったのに対し、このOpteronプロセッサは、4Wayから8Wayまでのマルチプロセッサシステムをサポートしているのが特徴だ。

 加えて、Opteronプロセッサや新しく登場する第8世代のAthlonは、「HyperTransport」テクノロジを採用。この技術を利用してマルチプロセッサシステムを構成するため、いわゆるサーバ用チップセットを用いることなく、PCIXによるマルチプロセッサシステムの構築が可能となっている。

 このため、Opteronや第8世代Athlon向けのチップセットは、AMD社以外の多くのチップセットメーカーからもサポートが表明されている。むろんその中には、VIAやSiS、nVIDIA、ATI、Aliといった、現行のAthlon向けにチップセットを提供しているメーカーが含まれている。

 また、会場ではAMDやサードパーティ製のチップセットを搭載した、Opteronや第8世代Athlon用マザーボードのサンプルが、Asus、ECS、GigaByte、MSIなどから展示されていた。おそらく新プロセッサがリリースされると同時に、これらのマザーボードの出荷も開始されることだろう。


Asus製マザーボードは、AMD製チップセットを搭載


nVIDIAのチップセットを搭載したマザーボード

 会場ではグラフィックスチップメーカーのサポートも合わせて発表されていた。3Dlabs、ATI、Matrox、nVIDIAといったお馴染みのメーカーが、こぞってAMD社の新世代プロセッサのサポートを打ち出している。

 今回のデモは、AMDの64ビットプロセッサがリリースへ向け、着実に完成度を増していることを感じさせるものだった。加えて、チップセットやグラフィックスチップ、マザーボードなどのメーカーの協力体制が確立させていることも強く打ち出されており、かつてのような孤軍奮闘というイメージは全くない。

 対Intelということを考えればこれは重要なことであり、同社が例年COMPUTEX TAIPEIの開催される時期にあわせて当地で大きなイベントを行うのも、この地のメーカーの協力体制構築を最重要と認識しているからに他ならないのだろう。

[清水隆夫, ITmedia]

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