News 2002年6月5日 06:51 PM 更新

コクヨ、アーベルと資本提携でエレコム追撃へ

PCサプライズ業界の第3位と第4位の2社が資本提携。業界トップグループのエレコム、サンワサプライの追い落としを狙う

 オフィス家具大手のコクヨと通電機器メーカーのアーベルは6月5日、PCサプライズ事業で提携することで合意したと発表した。コクヨは、PCサプライズ事業を今後の中核事業と捉えており、今回の提携では、文具店ルートが中心のコクヨ販路に、アーベルの家電・PC・カメラ量販店の流通チャネルを加えるのが狙い。またアーベルは、コクヨの強みであるカタログ販売を活用し、PCサプライズ製品の売上拡大を目指すとしている。

 またコクヨとアーベルは資本提携も行う。コクヨは、本契約提携後1カ月以内に、アーベル株620株を第三者割当増資により取得(持ち株比率は14.45%)。さらに、「今後の状況によっては、最大40%程度まで増資する計画で、将来の連結対象会社化も検討している」(コクヨ)。コクヨ資本参加後のアーベルの経営体制は、坂本卓志社長が続投し、コクヨからは常勤取締役1人、非常勤取締役5人を派遣する予定だ。

 コクヨのPCサプライズ商品は、現在、インクジェット用紙・ラベルなどプリンタサプライズ関連に限られている。コクヨの黒田章裕社長によれば、PCサプライズ事業の規模は約88億円で業界第3位(2002年3月期)。それにアーベルが54億円(2001年8月期単体)で続く。「両社あわせると、売上規模は142億円になる。エレコム、サンワサプライという業界トップグループの背中が見える。PCサプライズ市場は、1000億〜1200億円市場とも言われ、大きなチャンスがある」(アーベルの坂本社長)。


「業界トップに」との思いを語ったコクヨの黒田章裕社長(左)とアーベルの坂本卓志社長

 コクヨとアーベルは、互いの流通チャネルを相互利用するとともに、商品企画・開発も共同で行う予定。また、調達の効率化も推進し、コスト競争力を高めるほか、将来的には重複商品分野の整理・統合を進める。共同ブランドの商品投入も考えている。

 なお両社によれば、PCサプライズ事業の合算売上規模は、3年後に約250億円を見込んでいるという。

関連リンク
▼ コクヨ
▼ アーベル

[中村琢磨, ITmedia]

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