News | 2002年6月10日 11:54 PM 更新 |
季節の行事をテーマにしたイベントにアイドルやタレントが登場する――。マイクロソフトのポータルサイト「MSN」が行っているキャンペーンが話題を呼んでいる。このユニークな催しの仕掛け人に、企画の狙いや今後の展開について聞いた。
MSNのキャンペーンは、2月14日のバレンタインデーにタレントの眞鍋かをりさんが「Windows XPチョコを手渡しする」というものからスタート。続いて4月には、タレントの佐藤江梨子さんが「ビールを持って新入社員歓迎会に来てくれる権」をプレゼントするというイベントを行った。5月にはアイドルの後藤理沙さんの誕生日(6月18日)に「ユーザー20人をバースデーパーティーに招待する」というキャンペーンを実施。6月9日の父の日を前にした5月末には、元阪神タイガース選手の掛布雅之氏にバッティングを指導してもらった後、ホームラン競争に挑戦できるというイベントを企画した。
そしてW杯で盛り上がる今月は、ブラジル代表のRivaldo Vitor Borba Ferreria Victor選手が決めるゴール数を予想して正解者の中から抽選で1人にRivaldo選手のオリジナルサッカーシューズ「WAVE CUP」がプレゼントされるというキャンペーンを行っている。
一連のユニークなキャンペーンを企画しているのは、同社MSN事業部マーケティンググループの土肥亜都子さん。女性タレントやアイドルの選び方を見ていると、担当者が男性と思っていた読者も多いことだろう。
「MSNのユーザーは20〜30歳代の男性が中心。このユーザー層に受けそうなタレントを選ぶために、社内の若い男性社員へ一斉にメールを出して、意見を聞いて回っています」(土肥さん)。
某出版社から昨年同社に転職したという土肥さん。キャンペーンを企画した理由について「私がMSNで知った“一生忘れられない経験”を、もっと多くの人に味わってもらいたいと思った」と語る。
土肥さんの一生忘れられない経験とは、「MSNを通じて犬をもらったこと」だ。小さい時に犬に噛まれたことがある土肥さんは、実は犬が苦手だった。しかし、犬と共に暮らしている姿が印象的だったヨーロッパの旅行をきっかけに、生活を変えるために犬を飼うことを決意。MSNのコミュニティページで柴犬の飼い主を探している書き込みを見つけて、ネットを通じて子犬を譲り受けた。そして同社への転職も、この出来事がきっかけだったという。
「犬を飼うことによって不規則だった出版社時代の生活が一変し、自分以外の生き物に目を向けるキッカケも与えてくれた。今では犬なしの生活は考えられない。つまり、MSNによって一生忘れられないような経験ができたんです。このような経験を、もっと多くの人に味わってもらいたいと思って、キャンペーンを企画しました」(土肥さん)。
キャンペーンにアイドルや女性タレントを多く起用するのも、「MSNのメインユーザーである20〜30代の男性にとって、一生忘れられない経験となると思ってのこと」だという。ちなみに、眞鍋かをりさんと佐藤江梨子さんの時は5000人以上の応募があったが、後藤理沙さんのバースデーパーティー参加権へは、5月末の時点ですでに万単位の応募が殺到しているという。「やはり、現役アイドルは“ディープ”で熱心なファンがいますね」(土肥さん)。
タレント起用のキャンペーンばかりがメディアでも取り上げられがちだが、土肥さんが一番印象に残っているイベントは、母の日に行った「写真家・坂田栄一郎が撮影する“オフクロが一番きれいな日”」だという。これは、プロのヘアメイクアップアーティストとスタイリストがドレスアップした母親を囲んで、プロの写真家に家族写真を撮影してもらえるというもの。
「これは当選者のご家族に、ものすごく喜んでもらえた。スタッフ全員が“やって良かった”と思えたイベント。最後にお父さんが涙ぐんでいたのが印象的だった」(土肥さん)。
毎週1つずつ、キャンペーン案を提出することがノルマとなっているという土肥さん。「アイデアが出ない時は苦しいですが、楽しんでやってます」と笑顔で語る。次のキャンペーンについて聞いたところ「楽しみは後にとっておきたいので、詳しくは教えられませんが、日本国中がW杯で盛り上がっているので、もう1つサッカーネタを考えています」とのこと。どうやら、今度は日本代表メンバーの超大物と何かできるらしい。気になる人は、MSNとZDNetをチェックしていて下さい。
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[西坂真人, ITmedia]
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