News:ニュース速報 2002年6月11日 09:13 PM 更新

ソニー、高解像度・高コントラスト・高色再現性を実現したディスプレイデバイスを開発

ソニーは6月11日、高解像度・高コントラスト・高色再現性を実現したディスプレイデバイス「Grating Light Valve」(GLV)の試作機を開発したと発表した

 ソニーは6月11日、高解像度・高コントラスト・高色再現性を実現したディスプレイデバイス「Grating Light Valve」(GLV)の試作機を開発したと発表した。



 GLVデバイスは、MEMS(micro electro mechanical systems)技術を使って製造したリボン状の光回折素子をシリコン基板上に一列に並べて形成。1画素を6本のリボンで構成し、合計で6480本、1080画素分の光回折素子を形成した。光回折素子は電気信号により微細に動かすことができ、映像信号で動く量を制御することで光回折量を変化させ、画像の明暗を作り出すという。

 これにより滑らかな階調表現や平均3000:1以上の高コントラスト比を実現。映像の立体感や質感などを細部まで表現することができるとしている。

 同デバイスを用いたGLVディスプレイは、2次元面状のデバイス構造を持つほかの方式とは異なり、1列のマイクロリボンで構成しているため、デバイス構造を簡単にできるという。

 また光源に、色純度の高いRGBレーザー光を利用することで、CRT方式に比べ、2倍の色再現性を実現するとしている。

 さらにRGBレーザー光をそれぞれに対応したGLVデバイスにスリット状に照射し、1080画素分の1次元像を走査ミラーで水平方向に走査させることで、2次元画面を構成。1920画素相当の水平走査を行なう事で、1920×1080ピクセルのフルHD・プログレッシブ映像を実現するという。

 主な仕様は以下の通り。

ディスプレイデバイスGrating Light Valve×3(RGB)
サイズ34(幅)×6(奥行き)×2(高さ)ミリ
画素数1080画素
ディスプレイ解像度1920×1080ピクセル相当
スキャニング方式60フレーム、プログレッシブスキャン
コントラスト比平均3000:1以上

 新デバイスは米Silicon Light Machinesの技術を利用した。ソニーは2000年7月、Silicon Light MachinesとGLV技術のライセンス契約を締結。同技術を用いた汎用ディスプレイ製品の独占開発・製造・販売権を取得し、GLVデバイスの開発を進めている。

 今後は色再現性を重視するプロフェッショナル市場やホームシアター向けデバイスとして、2年以内の実用化を目指す。

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