News | 2002年6月21日 11:51 PM 更新 |
クリエイティブメディアは、携帯型音楽プレーヤーの新製品「Digital MP3 Player 2」を6月上旬に発売した。内蔵メモリが32Mバイトの「DMP2-32M」(実売予想価格:1万1800円前後)と64Mバイトの「DMP2-64M」(同1万4800円前後)の2製品がある。実売で1万円台前半と安価ながら、基本性能も充実したこの新製品をチェックしてみた。
携帯型音楽プレーヤーに適したWMA形式
Digital MP3 Player 2の最大の特徴は、携帯型音楽プレーヤーで一般的なMP3形式のほかに、WMA形式のファイルにも対応したことだ。同形式は、96Kbps以下の低ビットレートでMP3より高音質といわれており、MP3形式の半分のビットレートで同等の音質が楽しめる。つまり、ファイルサイズはMP3形式の約半分。これは、メディアの容量が限られている携帯型音楽プレーヤーにとって、大きなメリットだ。
試しに、MP3は128Kbps、WMAはその半分の64Kbpsのファイルを用意し、同じ曲をDigital MP3 Player 2で聴き比べてみた。結果は、音質の差はほとんど分からず、一方、ファイルサイズは、5分13秒の曲がMP3では約4.9Mバイトだったのに対し、WMAは約2.3Mバイトと半分以下になっていた。なお、MP3形式は64Kbpsも試してみたが、これはまるで携帯電話で音楽を聴いているような音質だった。
このWMAファイルは、Windows Media Player のバージョン7以降を使用すれば、音楽CDからダイレクトに作成できる。同ソフトが無料でダウンロードでき、広く普及しているためか、Digital MP3 Player 2にはリッピングソフトが付いていない。CDからMP3ファイルを作成できるフリーソフトも多いから、無駄な添付ソフトは省いてコストダウンを図るのは、悪くない選択だろう。
コンパクトサイズながら基本性能を充実
携帯型音楽プレーヤーは音質もさることながら、その大きさも重要だ。Digital MP3 Player 2は、約52(幅)×75(高さ)×15(厚さ)ミリ、重さ約40グラム(本体のみ)と非常にコンパクト。名刺入れと比べると約半分で、ちょうどメントール系清涼菓子のケースと同じ面積だ(厚さは倍ぐらい)。
ボディカラーはパールホワイトで、オレンジ色のスケルトン素材が側面のアクセントとなっている。表示はブルーのELバックライト付きモノクロ液晶ディスプレイを装備。右側にMMCスロットが用意されている。電源は単4形乾電池を2本使い、約11時間の連続駆動が行える。
携帯型音楽プレーヤーでは、聴いている時に操作することはあまりないのだが、外出先の騒音が多い環境ではボリューム調整だけは割とよく使う。電車内などで使ってみて便利に感じたのが、左側にあるボリューム/モードダイヤル。ジョグダイヤルとなっており、ボリューム調整やモード変更が手探りで操作できる。
ライバルと仕様を比較――WMAや録音機能でリード、SD非対応は×
現在、携帯型音楽プレーヤーで売れているのが、アイ・オー・データ機器の「HyperHyde Exrouge」。サイズは61(幅)×47(高さ)×19(厚さ)ミリ、重さは約34グラム(本体のみ)と、大きさはDigital MP3 Player 2とほとんど変わらない。実売価格もそれぞれ1万5000〜1万6000円前後と同じような価格帯だ。両製品の仕様を比べてみた(64Mバイト版で比較)。
製品名 | Digital MP3 Player 2 | HyperHyde Exrouge |
型番 | DMP2-64M | MDM-H205 |
サイズ | 52(幅)×75(高さ)×15(厚さ)ミリ | 61(幅)×47(高さ)×19(厚さ) |
重さ(本体のみ) | 約40グラム | 約34グラム |
再生形式 | MP3、WMA | MP3 |
内蔵メモリ | 64MB | なし(64MBのMMC同梱) |
メモリスロット | MMC | SD/MMC |
電源 | 単4形乾電池×2 | 単4形乾電池×1 |
連続駆動時間 | 約11時間 | 約12時間 |
録音機能 | あり(最長4時間) | なし |
添付ソフト | 転送ソフトのみ | リッピング/転送ソフト |
実売価格 | 1万4800円前後 | 1万5800円前後 |
携帯型音楽プレーヤーでは、音楽データ記録用メモリをいかに有効活用できるかがポイント。Digital MP3 Player 2は内蔵メモリを持っており、128MバイトのMMCを使えば合計192Mバイトとなる。WMA形式(64Kbps)なら7時間以上、CDで8〜10枚分が収まる計算になる。同音質でファイルサイズが小さいWMA形式のサポートがあるDigital MP3 Player 2は、MP3しか再生できないHyperHyde Exrougeに比べて一歩リードしている。
一方、デジカメ用などで流通量が多くMMCに比べて安いSDメモリーカードが使えるHyperHyde Exrougeに対して、Digital MP3 Player 2はMMCしか使えない。多くのメディアを持って交換して聴きたいというユーザーにとっては、マイナスポイントになるかもしれない。
また、Digital MP3 Player 2だけの機能としては、最長4時間の録音ができるボイスレコーダー機能がある。音声圧縮にG.726形式を使い、付属の転送ソフトでMP3形式に変換することができる。録音ファイルは、本体で削除することも可能。マイクは本体上部の内蔵のみで、MIC端子は装備されていない。G.726形式はPHS相当の音質といわれるが、実際に録音して聴いてみたところ、ボイスレコーダー専用機にはかなわないものの、ちょっとした音声メモには十分な音質だった。
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[西坂真人, ITmedia]
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