News:ニュース速報 2002年6月26日 08:35 PM 更新

トレンドマイクロ、企業向けウイルス対策の新構想

トレンドマイクロが、Nimdaのような複合型ウイルスの感染被害を最小限抑えることを目指し、「TM ESP」という新構想を発表した

 「正常な経路で侵入してくるウイルスには、既存の技術で対応できない」。

 トレンドマイクロが6月26日に発表した企業向けの新しいウイルス対策構想「Trend Micro Enterprise Protection Strategy」(TM EPS)は、Nimdaのような、従来のウイルス対策方法では大規模感染を防げない複合型ウイルスに対抗するものだ。ウイルス発生から終息までに関わる一連の作業を集中管理。ウイルス対策ファイルの提供だけでなく、予防や再感染防止のポリシーをリアルタイムに配信することで、企業は、感染被害とウイルス対策コストを最小限に抑えられるという。

 トレンドマイクロ CEO(最高経営責任者)のSteve Chang氏は、「Nimdaの出現によって、ウイルスが“合法的”に企業の中に入ってくるようになった。ファイアウォールがあっても感染してしまう。感染したら今度は、そのマシンを隔離するまでSMTPやHTTPサーバを停止しなければならない。ITマネージャの大きな頭痛の種だ」と現状のウイルス対策の不備を認める。「競合製品より優れているなどということよりも、本当に役に立つことが求められている」(同氏)。

 現在のトレンドマイクロの製品では、新種のウイルスが発見されるたびに、「ウイルス定義ファイル」を配布し、ウイルスを検出・駆除することになる。TM EPSでは、この作業の“前”と“後”をサポートすることで、効率を高めようというのだ。具体的には、新種ウイルス発生や感染被害拡大予防措置完了を同社のウイルス解析・サポートセンターの「TrendLabs」から通知するとともに、ウイルス駆除後には、ネットワーク復旧と再感染防止のための事後分析を提供する。

 また、トレンドマイクロは、TM EPSを実現する対応製品群を今年下半期に順次をリリース。あらゆるネットワーク階層に存在するウイルス対策製品をブラウザ集中管理する「Trend Micro Control Manager 2.1」を中心に、ポリシーベースのメッセージングセキュリティ製品群「InterScan Messaging Security Suite 5.1」(2002年第2四半期リリース予定)、Webセキュリティ製品群「InterScan WebProtect」(2002年第4四半期リリース予定)などがラインアップする。

 トレンドマイクロはTM EPSの導入にあわせ、SIなどのパートナー企業向け支援を強化する「パートナー認定プログラム」も発表した。この新プログラムでは、パートナーの担当ごとに、1)「リセールパートナー」(トレンドマイクロ製品の再版を行う)、2)「ソリューションパートナー」(ウイルス対策のコンサルティングを行う)、3)「サービスパートナー」(xSP形式でウィルスチェックなどを行なう)、4)「テクニカルアライアンスパートナー」(トレンドマイクロと技術的に提携関係にある)に分類される。また、TrendLabsの専門知識を反映した販売・サポート両面での技術的な支援も強化するという。

 さらにトレンドマイクロでは、TM EPSの浸透を目的に、2002年10月より「コストパフォーマンスが高い新ライセンス体系」(同社)を施行する予定だ。

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[中村琢磨, ITmedia]

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