News 2002年7月9日 10:05 PM 更新

「乗れるチョロQ」、今年11月に発売決定

ついに“乗れるチョロQ”こと1人乗り電気自動車「Q-CAR」シリーズが発売されることになった。来年には、街中にチョロQがあふれるかも?

 今秋、ついに夢が現実になる。“乗れるチョロQ”こと、1人乗り小型電気自動車「Q-CAR」シリーズの発売時期が正式決定した。玩具メーカーのタカラが設立したチョロQモーターズは、11月よりQ-CARシリーズの第1弾としてスポーツカータイプの「Qi」(キューノ)を発売。続いて、2003年2月にはクラシックカータイプの「QQ」(ナインナイン)を投入する予定だ。

 Qiは、これまで「2010」と呼ばれていたモデル。プロトタイプでは未来感溢れるデザインを採用していたが、実際に発売される車両では、「チョロQの特徴であるデフォルメ感を強調した」(タカラ)。どこか懐かしい雰囲気がするデザインになっている。ボディサイズは、2200(全長)×1100(全幅)×1470(全高)。車両重量は320キロ(総重量は375キロ)。シート後方には30×30×45センチのラゲッジスペースを備えるので、近所に買い物ぐらいなら十分に使えるだろう。

 Qiは、999台の限定生産。価格は129万円だ。99台の初回限定仕様車も用意するという。カラーリングは、1980年代に誕生したときの赤/黄/白を採用。「カラーバリエーションも考えている」(タカラ)。


「Qi」(ボディーカラーは黄色)。サイズ以外の仕様は、2010とほとんど変わらない。ただ、デザインは2010と比べると、ちょっと高級感に欠けるかも……


「QQ」。屋根がなくなってしまったのはちょっと残念。QiもQQもフロントスクリーンが極端に短いのが気になる。最高速度が50キロとはいえ、冬場や雨の日はちょっとキツイのではないだろうか

 一方のQQは、“大人のエンタテインメント”をコンセプトにしたクラシックカータイプ。プロトタイプのときは、「Modern Times」と呼ばれていたモデルである。プロトタイプから屋根が取り払われ、オープンカーになった。「ボディにはアルミ素材を採用し存在感を出した」(タカラ)という高級車仕様だ。価格は199万円。こちらは300台の限定生産となる。ボディサイズ、重量ともにQiと同じだ。

 さらにチョロQモーターズでは、Q-CARシリーズとは別コンセプトで量販型実用モデル「U-CONCEPT」シリーズを製品化する計画。これは、「Utility(実用性)」「Unique(独自性)」「Up-Coming(未来感)」「Up-lift(向上性)」という4つの「U」を表現する自動車で、具体的にはゆとりのあるトランクスペースや全天候型のルーフを装備するのが特徴だという。価格は、QiやQQよりも安い99万円を予定している。発売は、2003年春の見込みだ。

 Q-CARシリーズは、東京・お台場に9月中旬オープン予定の直営店「Q-SQUARE」で販売するほか、自動車関連代理店、大型玩具量販店、家電量販店など約30店鋪で取り扱う。また、Qi、QQ、U-CONCEPTとは別の特別仕様車を一部ユニクロ店頭に置くという。メンテナンスの協力修理工場は初年度約150カ所を設置する予定だ。

 なお、“乗れるチョロQ”を運転するには普通自動車運転免許が必要。また、車両法上は「第1種原動機付自転車(4輪)」になるため、税金の支払いは自動車税だけで、重量税や取得税はかからない。ただし、原付きなので無理矢理2人乗りしたりすると、お巡りさんに捕まってしまうので要注意。ただし、ヘルメットの装着義務はない。

 Qi/QQの主な仕様は以下の通り。

車種Q-CARシリーズ(Qi/QQ共通)
最高速度(前進)50キロ
最高速度(後進)15キロ
最小回転半径3.2メートル
最大安定傾斜角度45度以上(左右とも)
フル充電走行距離80キロ(30キロ/時で一定走行した場合)
充電時間8時間程度(家庭用コンセントの100V電源使用)
メインバッテリー密閉型鉛電池12V×42A×6個(72V)
補助バッテリー密閉型鉛電池12V×42A×1個(72V)
制動方式4輪ドラムブレーキ(フロント:油圧式、リア:油圧・機械式)
駆動方式後輪ホールイン直接駆動
定格出力(kw)0.29×2個
タイヤ(前輪)145/70R12
タイヤ(後輪)165/70R12

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[中村琢磨, ITmedia]

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