News 2002年7月16日 11:46 PM 更新

Blu-Rayを超えるテラバイト級の光ディスク――オプトウエアのVRD

オプトウエアが、DVDと同じ12cmディスクでテラバイト級の大容量と1Gbpsを超える高速データ伝送を可能にする超高速大容量光ディスクシステム「VRD」の説明会を実施した。ホログラフィック記録技術と光ディスク技術を融合したのが、その特徴だ

 オプトウエアは7月16日、ホログラフィック記録技術と光ディスク技術を融合することでテラバイト級の大容量と高速データ伝送を可能にする超高速大容量光ディスクシステム「VRD(Volumetric Recording Disk)」の事業説明会を実施した。

 従来の光ディスクは、データをビット単位で平面的に記録していた。そのため、波長の低いレーザーを使うなどして記録ビットを微細化し、面記録密度を上げることで大容量化をはかっていた。次世代大容量光ディスク規格として注目されている「Blu-Ray Disc」もこの方式で、波長405ナノメートルの青紫色レーザーを使って光スポットを微小化することで記録ビットを小さくし、CDやDVDと同じ大きさの光ディスクに最大27ギガバイトの記録ができるようになっている。

 これに対してホログラフィック記録は、デジタル情報を2次元化して1枚のページデータとし、それを一度に何枚も積み重ねて体積ホログラムとして記録することで大容量と高速データ転送を可能にする。この技術自体は、かなり以前から提唱されていたものだ。


データ記録のメカニズムの違い

 社長兼COOの堀米秀嘉氏は、「ホログラフィック記録の研究自体は、米国の国家プロジェクトとして1955年頃からすでにスタートしていた。だが、次世代の光ファイバネットワークにダイレクトにつながるストレージは何かという大命題があったため、まず転送レートありきとなり、ページデータで並列的に一気にデータを読み込んでしまう方式が採用された」と語る。

 ちなみにこのプロジェクトでは、1000×1000ピクセル(1メガピクセル)の白黒ページデータを1秒間に1000枚送ることで、1ギガbpsの転送速度を最近になって達成。平面的な記録層ではなくて体積的な記録素材を用いることで、1テラバイトという大容量化を実験で成功させている。

 夢のような記録容量と転送レートを可能にするホログラフィック記録。しかしこの技術は、長年に渡って研究開発の域を超えなかった。

 「なかなか実用化に至らなかった理由は、光学系が複雑だった点。高い精度が要求されるため、除震装置の上に置かねばならず、ピックアップも信号光と参照光の2系統が必要。ホログラフィックの記録材料も、これまでの光記録装置で採用されてきたディスクではなく、記録素材を結晶化した“固まり”をメディアとして使うなど、メディアの互換性や可搬性、低コスト化にも問題があった」(堀米氏)。


ホログラフィック記録は光学系が複雑だったため、長年研究開発の域を超えなかった

 そこで同社は、複雑で大型になっていた光学系を簡素・小型化するために、「偏光コリニアホログラム記録再生方式」を独自で開発。これは、偏光分離した信号光と参照光とを同軸配置し、1つの対物レンズでディスクに照射することで高い精度での記録・再生を可能にする。

 「そのほか、ディスクにアドレスをつけてランダムアクセスを可能にし、光ディスクの光学サーボ技術を応用することで従来必須だった除震装置を不要にした。さらに、既存のCDやDVDと同じ対物レンズやレーザーを使用しているので上位互換も保たれているほか、コスト面でも有利」(堀米氏)。


ディスク上のデータビットパターン

 実用化に足踏みをしていたホログラフィック技術に、光学系を簡素・小型化する独自技術で改良を加え、さらに光ディスク技術を応用して超高速大容量光ディスクシステムを開発した同社。今後の事業戦略について会長兼CEOの青木芳夫氏はこう語る。

 「第1段階として今年はメディアテスター(評価装置)の事業化をはかり、メディアメーカーの開発を促す。そして来年には追記型の業務用記録再生装置の事業化を立ち上げる。そして2005年にはコンシューマ向けのドライブを市場に投入する。いずれも、セットメーカーへのライセンス供与やジョイントベンチャーで行っていき、デファクトスタンダード化していきたい」。

 なお、幕張メッセで本日から開催した「InterOpto 2002」の会場で、同社のVRD評価機とメディアが公開されている。


「InterOpto 2002」の会場で公開されたVRD評価装置とメディア

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▼ オプトウエア

[西坂真人, ITmedia]

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