News:ニュース速報 | 2002年7月19日 06:19 PM 更新 |
地域CATV会社の豊島ケーブルネットワーク(東京都豊島区)が、CATVインターネット接続会員約7000人全員に「Frethem」亜種が添付されたメールを送信していたことが分かった。ISPの接続会員全員にウイルスメールが送信された珍しいケースだ。
ユーザーの報告によると、7月15日深夜から16日にかけて、「Re:Your password!」件名のウイルスメールが6通ほど、接続会員宛てに一斉に送信された。
同社は7月16日、ウイルスメールが会員向けに送信されていることを告知。Webサイトでは同社の一斉同報メールアドレスを「偽って発信されているメールがあります」などとしてメールの削除を呼び掛けた。対策方法としてアンチウイルスベンダーサイトへのリンクを掲載した上で、「対策方法の内容について、当社は一切に保障ならびにサポートをいたしかねます」とした。
ところがこの一斉同報メールアドレスは外部に公開されておらず、あえて偽るのは難しい。また運営者側が使用するこうした一斉同報アドレスは、迷惑メールなどに悪用されないよう、IDなどで使用可能者を制限している場合がほとんどだ。
ある会員のPCがウイルスに感染し、ウイルスが過去の告知メールなどから同アドレスを入手してウイルスメールを送信したのだととしても、一般的に同報システムの管理に問題がなければ、権限のないユーザーからのメールを一斉送信することはない。そもそも同報システムを運用しているメールサーバのアンチウイルス機能が最新状態に更新されていれば、ウイルス自体がブロックされるはずだ。
同社は17日になって、「ウイルスメールが当社の同報発信システムに入り込んだため」と原因を説明。システムの運用を見直して再発防止に努めるなどと謝罪した。
同社Webサイトが16日付けで公開しているウイルス予防対策の末尾には、「ウイルスはお客様のPCに影響を及ぼすばかりでなく、他のお客様にご迷惑をお掛けする場合もあります」として「お客様自身でウイルス対策を行っていただく」ようユーザーに対応を求めている。
これはもっともだが、大勢のユーザーのネット環境を預かるISPのウイルス対策も万全が必要だ。
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