News 2002年8月2日 10:30 PM 更新

あなたの好みはバレている――趣味嗜好が分析できる3D画像

GMOが開始した画像の3D化サービス。3D画像をグリグリいじくるのは楽しいものだが、“どうやってグリグリしたか”というデータが収集されているという

 グローバルメディアオンライン(GMO)が開始した静止画像の3D化サービス(7月22日の記事参照)。これは、複数枚の画像から“グリグリ動かせる3D画像”を作ってしまおうというものだが、ただ単に3Dにするだけではない。その3D画像を、“どのようにグリグリしたか”が分かってしまうのだ。正式には、「無意識顧客行動分析サービス」という。

 ある通信販売サイトの運営会社が、このサービスを利用したとする。顧客向けのメールには、お勧め商品の3D画像が添付されている(3D画像はJavaアプレットのため、HTMLメールとして送信することができる)。それが、デジタルカメラの3D画像だったとして、とりあえず一回転させてみる。続いて、背面液晶部分を拡大する。こうした一連の行動が、通信販売会社にレポートされるのだ。もちろん、パーミッションメールで実施するため、隠れてデータを収集しているわけではない。

 GMO 3Dカンパニーの園山清剛氏は、「こうしたデータが販売促進に役に立つ」と説明する。「例えば、従来はフリースを正面から撮影した画像をカタログに使っていたとする。ところが、実際にこのサービスで3Dにして表示してみせたら、斜め45度からの角度で見ている人が多いことに気が付くかもしれない。そうしたら、カタログの写真は差し換えだ」(同氏)。


GMOのWebサイトにあるサンプル画像。元データが大きいため、この通り、かなり拡大しても画像は乱れない。また、画像はスライスされた状態で配信されるので、拡大した部分を含むスライスだけが配信される仕組みになっている。「元データの容量はだいたい40〜50Mバイトあるのだが、ユーザーに配信されるのは数K〜十数Kバイト」(園山氏)という。ちなみに、このサンプルでは行動分析は行っていないのだが、「おそらく、モデルの女性の顔を拡大している人はかなりいるでしょうね(笑)」(園山)とのこと……


GMO社内にある3D画像用の撮影スタジオ。取材当日、「自分を3Dにして下さい!」とお願いしたところ、「別にいいですよ」(園山氏)と快諾してもらったのだが、撮影中だったため実現されなかった……

 さらに園山氏は、「販売促進にこだわらなくても、3D画像でいろいろ楽しいことができるはず」と強調する。例えば、アイドル。新しく売り出したい女の子の画像を3Dにして、ユーザーの反応を見る。グラビア系でいきたい子なら、やっぱり胸に注目が集まるはず。逆に、いまいち特徴が分からない子なら、ユーザーの行動パターンから、どこをウリにしてやればいいのか決めることができる。

 それならば、お見合い写真にこの技術を使ってみてはどうだろうか? マスマーケティングではなく、ワンツーワンマーケティングだ。事前に、相手に自分の3D画像をお見合い用の写真として送りつける。相手が、画像を左右のどちらに回転させたのかデータが取れるので、もし、右回りだったら、お見合い当日は顔の右半分がよく見えるようにしてやればいい(そっち側が好みのはずだ)。もっとも、相手に黙ってやるしかないので、あまりいい趣味とはいえないが……。

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[中村琢磨, ITmedia]

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