News | 2002年8月29日 11:59 PM 更新 |
Bluetoothの利用シーンで期待されているものの中に、自動車内のアプリケーションがある。思うように普及が進まないBluetoothだが、キラーアプリケーション不在の車載機器市場にとって、この近距離無線通信技術は、新たな市場を開拓する“救世主”となる可能性を秘めているのだ。
モバイルコンピューティング推進コンソーシアム(MCPC)が8月29日に開催した「Bluetooth技術セミナー」で、ケンウッド カーエレクトロニクス事業部の吉田定義氏から、車載機器におけるBluetoothアプリケーションの可能性が語られた。
近年、自動車の付加価値を高めるためのアプローチとして、これまでアフターマーケットで取り付けられることの多かったカーステレオやカーナビゲーションといった車載機器が、純正品として購入時に初めから装着されるケースが増えている。
「車内デザインの一体化という流れがあり、デザインを統一したカーステレオやカーナビが標準搭載される傾向にある。また、これまで市販品に比べて機能が劣っていた純正品自体が高機能になっており、ここ3年ほどは市販品のシェアが右肩下がりになっている」(吉田氏)。
MDやDVDカーナビといったヒット商品以降、キラーアプリケーションとなるような車載機器が登場していないのも、アフターマーケットに元気がない一因となっている。それだけに、市販品メーカーがBluetooth機能を搭載した車載機器に寄せる期待も大きいというわけだ。
数ある車載機器の中で、Bluetooth機能が搭載されそうなアプリケーションには、どんなものがあるのだろうか。
吉田氏は、現在SIG(Special Interest Group)で策定中のBluetooth新プロファイルの中から、車載機器に関連しそうな5つを挙げ、それらから想定されるアプリケーションとして、「カーステレオやカーナビに搭載されるハンズフリー機能」「カーナビに搭載されるインターネット アクセス機能」「カーステレオに搭載されるオーディオデストリビューション機能」を紹介した。
プロファイル名 | 概要 |
Hands-Free(Automotive)Profile | 自動車車載電装品と携帯電話間 |
Personal Area Network Profile | 複数機器のネットワーク管理 |
Human Interface Devices Profile | ポインティングデバイス等入出力 |
Audio/Video Profile | 音声、画像伝送 |
Basic Imaging Profile | デジタルカメラ等の静止画伝送 |
「Bluetoothのアプリケーションは、まずは携帯電話と接続するケースから導入が始まるだろう。Bluetoothの最大の特徴は、プロファイルによる相互接続性の保証。搭載プロファイルを明確にして、『何と何をつなぐのか』や、『何を送るのか』などを明らかにすることによって、製品バリエーションも広がる。新プロファイルの早急な策定とともに、携帯電話などへのBluetooth搭載がどれだけ進むかが普及のポイントとなる」(吉田氏)。
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[西坂真人, ITmedia]
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