News 2002年10月16日 11:19 PM 更新

「Serial ATAは2005年にかけ急成長する」――Maxtor副社長

HDDのトップサプライヤーであるMaxtorは16日に都内のホテルで会見を行い、Serial ATAとSerial Attached SCSIの今後の展開について語った

 「Serial ATA(以下、SATA)は、12月ぐらいから導入が始まり、2003−2005年にかけて急成長するだろう。また、Serial Attached SCSI(SAS)については、2003−2004年にかけて規格が決まり、2005年から本格導入が始まるだろう」。

 Maxtorワールドワイド・コーポレート・マーケティング&ブランディング担当副社長Stephen DiFranco氏は、HDDのパラレルからシリアルへの移行時期の見通しについてこう話した。


会見を行うMaxtorワールドワイド・コーポレート・マーケティング&ブランディング担当副社長Stephen DiFranco氏

 市場では、徐々にではあるがSATA接続のHDDが登場し、対応したマザーボードやインタフェースカードも販売が始まっている。しかし、現状では、製品が潤沢に提供されているというわけではなく、あくまで徐々にといった感じだ。同氏によると、今後、特にSATAのHDDについては、「チップセットなどのサポートにより、従来のパラレルATAからSATAのHDDが大きく拡大していくだろう」という。

 また、SATAよりも導入が遅れるSASの使われ方について、「エンタープライズ用途でもある程度までSATAが浸透すると思うが、SATAは365日間ノンストップで使用するために必要となる要件を満たしていない。このため、両者は並存していくことになるだろう」と話し、シリアル化された後も、従来のパラレルATAとSCSIの関係のようにSATAとSASが住み分けていくとしている。


MSIのブースでデモが行われていたSATA接続のHDD

 また、同氏は今後のHDDの使われ方について触れ、「現在は、PCなどのコンピュータ用途が多いが、今後は、PCの内部よりも外部での用途が増えるだろう。例えば、HDDは、PCだけでなくTVの中などでも使われるだろう」という。

 確かに国内を例にとってみても、HDDを記録媒体に採用したHDDレコーダや記録型DVDとHDDをセットにしてDVDレコーダが、映像記録用の機器として注目を集めている。これは、言うまでもなく、従来のテープメディアに比べてMPEG2などの映像圧縮技術を使用することで、高画質のまま長時間の映像を記録できるからだ。CEATEC JAPANなどで盛んにデモが行われていたホームサーバ構想でも、映像などの1次記録媒体の主役は高速大容量のHDDだった。

 同氏は加えて「PCだけでなくホワイトボックスはSATAに移行し、エンタープライズでは、SASが使用されることになる」と分析する。これは、シリアル化することによってチップやコネクタなどの実装面積が減るだけでなく、接続なども簡単になるというメリットが得られるからだ。「DellなどのPCメーカーでは、組み立てる時間が短くなるだけでなく、到着時にコネクタが外れていたなどの障害も減る。また、HDDの単体を販売する側も接続が簡単になるので、売り込みやすくなるだろう」(同氏)。

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[北川達也, ITmedia]

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