News:ニュース速報 2002年10月16日 07:30 PM 更新

NEC、瞬時に内部回路を動的変更できるLSIを開発

NECは10月16日、アプリケーションに応じて瞬時に最適な回路を構成できる動的構成プロセッサLSIの開発に成功したと発表した

 NECは10月16日、アプリケーションに応じて瞬時に最適な回路を構成できる動的構成プロセッサLSIの開発に成功したと発表した。FPGA((Field Programmable Gate Array)に比べ短時間で容易に回路を変更できるという。

 LSI内に用意した多数のプロセッサ間の接続をクロックサイクルごとに変更することで、ハードウェア処理をソフトウェア的に行う。仮想的に無限大のハードを構成できるという。

 評価チップは0.15μメートルCMOSプロセスで製造、512個の並列単位プロセッサと16面の動的回路構成面、2.2Mビットの内部メモリで構成。開発ツールはLinuxベースで、Cで記述したアプリケーションから評価チップに最適化した回路を自動生成する。SDRAMやPCI/Hyper Transportインタフェースを備えた評価ボードもあわせて開発した。

 新LSIはルータなどのパケット処理や画像処理、信号処理に適しており、アーキテクチャのバリエーションを広げることで携帯端末やストレージなどにも適用可能だとしている。

 ソフト処理で機能を構成できるLSIとして、米XilinxのFPGAの採用が進んでいる。ソフトウェアによりアプリケーションごとにLSIの機能を変更できるため、1から専用LSIを開発するのに比べ開発期間を短縮できるのが強みだ。ただソフト処理ではアーキテクチャが固定されているため処理が増えれば高速で大規模なデバイスが必要になる上、回路の再構成に時間がかかるという問題点があった。

 NECの新LSIでは、ソフト処理の柔軟性とハード処理の高性能さを併せ持つLSIが実現できるという。既に複数のネットワーク機器関連企業から実システム評価の依頼を受けているとしている。また新LSIのシステムLSIへのIPコア化とASSP(Application Specific Standard Product)への搭載を進める。

 成果は「Microprocessor Forum 2002」(10月14−16日、米サンノゼ)で発表する。

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