News:ニュース速報 2002年11月5日 11:20 AM 更新

不振の音楽ネット販売、減少率拡大

ネット上での音楽販売の落ち込みは、音楽商品全体の出荷高の落ち込みより、3倍も大きい

 米調査会社のcomScore Networksは11月4日、オンライン消費が全体として増加傾向にある中で、音楽のネット販売が深刻な売上不振に見舞われていると報告した。その原因は、KazaaやMorpheusなどのファイル交換サービスを使っている人が依然として多いためだとしている。

 comScoreの報告では、今年1−9月のオンライン音楽売上高は5億4500万ドルで、前年同期比25%のダウン。オンライン音楽売上は実際、時を経るごとに減少幅が増えており、1−3月は12%減、4−6月は28%減、7−9月は39%減だという。これに対してオンライン上での(音楽に限らない)商品全体の売上は、同期間にそれぞれ30%増、38%増、30%増を見せている。

 さらに、ネット上での音楽販売の落ち込みは、全米レコード協会(RIAA)が最近報告した音楽商品全体の出荷高の落ち込みより、3倍も大きな下げ幅となっている。RIAAによると米国における音楽商品の出荷総額は、2001年1−6月の59億3000万ドルから2002年1−6月には55億3000万ドルへと7%の減少。一方、1−6月のオンライン音楽売上高は、comScoreによると昨年が5億3100万ドル、今年が4億2400万ドルで20%もの減少だ。

 comScoreでは「インターネット利用者への音楽販売に、ファイル交換サービスとCDコピーが深刻な打撃を与えている」と分析、KazaaやMorpheusといったファイル交換サービスを使う米家庭ユーザーの数が増えていると報告している。

 同社の調査では「オンライン音楽売上」には、CDその他の録音媒体のネット販売と、ストリーミングによるオンライン音楽コンテンツの売上が含まれるが、オークションサイトでの音楽販売は除外している。

オンライン音楽販売と米家庭ファイル交換利用者数の推移

時期オンライン音楽売上(単位:百万ドル)NapsterKazaaAudiogalaxy SatelliteMorpheus
1Q 2001$26211,962,000550,000
2Q 2001$2698,264,000519,000719,000808,000
3Q 2001$1995,722,0001,588,000946,0002,271,000
4Q 2001$2782,960,0002,998,0001,832,0004,884,000
1Q 2002$2301,644,0004,577,0002,912,0007,146,000
2Q 2002$1941,060,0007,278,0003,132,0003,758,000
3Q 2002$122751,0009,431,0001,646,000データなし

(資料:comScore)

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▼ comScoreのプレスリリース

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