News 2002年11月8日 06:00 PM 更新

カノープス、MPEG-2エンコーダ搭載TVチューナーボード新製品

カノープスがMPEG-2ハードウェアエンコーダ搭載の「MTV1200HX」と、別売り追加ユニットでMTV1200HXと同等機能になる「MTV800HX」など、TVチューナーボード「MTV」シリーズの新製品2機種を発表した

 カノープスは11月8日、TVチューナーボードの新製品2機種「MTV1200HX」「MTV800HX」と、ハードウェアエンコーダ+ゴーストリデューサー追加ユニット「GME500」を発表した。価格(発売時期)は、MTV1200HXが4万2800円(12月上旬)、MTV800HXが2万4800円(12月中旬)、GME500が2万2800円(12月中旬)。


MPEG-2エンコーダ搭載TVチューナーボード「MTV1200HX」

 MTV1200HXは、昨年5月に発表したMPEG-2ハードウェアエンコーダ搭載TVチューナーボード「MTV1000」の後継機種。MTV1000は、PCでTVを視聴したり、ハードウェアエンコーダ搭載でCPUに負荷をかけずに高画質なMPEG-2映像の録画が手軽に行えるといった機能でヒット商品となった。MTV1200HXでは、MTV1000で別売りだったデジタルゴーストリデューサーが標準搭載されながら価格は7000円下がるなど、コストパフォーマンスを高めている。

 業務用で使われているMPEG-2エンコーダチップ搭載による高画質化とすばやいレスポンスなど、機能面では従来機とほぼ変わらない。ゴーストリデューサーは、上位機種のMTV2000シリーズに搭載されている「10Tap デジタルゴーストリデューサー」を搭載し、ゴーストのないTV録画が行えると共に、ゴーストによる圧縮効率の低下を抑えることで無駄なサイズのMPEG-2ファイル生成を防ぐ。

 また、PCに取り込んだビデオファイル(DV形式AVIファイル)を、MPEG-2形式に変換する「DV-MPEGファイルコンバータ」を同梱。MPEG-2形式でのビデオファイル保存やDVD作成が、内蔵MPEG-2ハードウェアエンコーダによって高速に行える。

 PCIバススロット対応。高密度実装技術によってPCIハーフサイズの小型ボードサイズを実現し、省スペースPCなど小型きょう体への搭載を可能にした。

 コントロールソフト「Feather G-Spec.」は、タイマー録画や録画ビデオの管理機能を装備。また、オプションのリモコンユニット「CRM-1」との併用で、AV家電感覚で操作が可能。DVD再生など単体ソフトとしても動作する。オンエア中のTV番組を停止/再開できる「タイムシフト再生」や、録画中の番組を最初から見ていく「追っかけ再生機能」などを装備。iEPG対応番組表を使ったインターネット録画予約や静止画キャプチャ機能も備える。

 動作環境は、1/4解像度(352×240ドット、2Mbps)での録画/再生/タイムシフトに必要なCPUスペックがPentium II/300MHz以上、高画質時(720×480ドット、8Mbps)ではPentium III/866MHz以上が必要。「デュアルCPUにも対応。ハイパースレッディングでも動作確認済み」(同社)。対応OSは、Windows 98 SE/Me/2000/XP。


TVチューナーボード「MTV800HX」とハードウェアエンコーダ+ゴーストリデューサー追加ユニット「GME500」

 MTV800HXは、MTV1200HXからハードウェアエンコーダ機能を省略し、ソフトウェアエンコードによるMPEG-2変換機能を搭載した普及モデル。動作環境は、Pentium III/600MHz以上もしくは同等のCPUが必要。対応OSは、Windows 2000/XP。

 また、MTV800HXにハードウェアエンコーダ+ゴーストリデューサー追加ユニット「GME500」を搭載することで、MTV1200HXと同等の機能にアップグレードできる。「追加ユニットによってハードウェアエンコーダ機能を付加できるTVチューナーボードは、業界初」(同社)。

高画質なTVチューナーボードは、パーツの良し悪しよりも“作りこみ”

 先日発表されたUSB2.0対応TVチューナー/キャプチャユニット「MTU2400」では、MPEG-2エンコーダチップに松下電器の最新チップ「MN85572」が採用されたが、今回のMTV1200HXでは従来機種同様に「VDSP3(松下電器製)」を使っている。TVチューナーはシャープ製を採用している。エンコーダチップやTVチューナーによって、画質の違いはあるのだろうか。

 「部品の違いによって画質が大きく変わるということは、われわれが知る限りではほとんどない。MPEG-2エンコーダチップは技術的に飽和しているので、グラフィックカードのように新チップによって劇的に高画質になることはないのだ。TVチューナーも同じ。むしろ、プリント基板やアナログ回路の設計、ノイズ対策など“作りこみ”の部分が、画質の良し悪しを大きく左右する。部品の違いではなく、実際の画質の違いを見てもらいたい」(同社)。

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[西坂真人, ITmedia]

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