News 2002年11月14日 10:17 PM 更新

ジャストが一太郎13発表。法人への展開も明らかに

ジャストシステムは14日、一太郎13を来年2月に発売すると発表した。また、その席上、法人向けの製品を開発中であることも明らかにした

 ジャストシステムは11月14日、ドキュメントプロセッサ「一太郎13」と統合グラフィックソフト「花子13」を発表した。発売は2003年2月7日で、価格は一太郎13製品版が2万円。花子13製品版が9800円。一太郎13と花子13をセットにした「一太郎13 & 花子13 スペシャルパック」が2万5000円。同社によれば、一太郎13の販売目標は年間100万本、花子13は同15万本だという。


一太郎13(左)と花子13の製品パッケージ

 一太郎の新バージョンの目玉のひとつは「一太郎メイク」。従来から操作性をカスタマイズする機能はあったが、それにはまず一太郎を起動する必要があった。一太郎メイクでは、カスタマイズした一太郎を保存することで、それぞれがあたかも別のアプリケーションであるかのように見える。

 例えば、縦書き原稿用紙をデフォルトにしたものや、シニア向けにデフォルトのフォントサイズを大きくしたものを保存すれば、それぞれの一太郎アイコンがデスクトップに作成され、次回からは用途にあった一太郎が一発起動できる。製品には、あらかじめ「シンプルタイプ」「一太郎Liteタイプ」「一太郎 Ver.3タイプ」「プロフェッショナルタイプ」「縦組タイプ」の5種類が用意されている。  もうひとつの目玉は「参考文書機能」で、これはユーザーが文書を作成する際、まったく一から書き始めるのではなく、他の文書を書き換えたり、引用したりすることが多いことに着目して開発された。

 文書の作成過程で参照した別の文書ファイルの履歴がナレッジウィンドウに表示され、それをクリックすることで参照文書ファイルを再び読み込むことができる。参考文書ファイルは編集不可状態で読み込まれるため、参考文書のほうをうっかり編集してしまうこともない。参考文書の一部をクリップボードにコピーすると、自動的に編集文書がアクティブになり、いちいち画面を切り替える必要がないようにもなっている。

 さらに、電話番号、人名、商品名、金額などのように、誤った記述が許されない重要な言葉だけを抽出し、再確認することができる「ビジネス単語一覧」も搭載された。

 また、一太郎13をさらに強化するオプションソフトとして、英日・日英翻訳ソフト「一発!翻訳マスター」(1万4800円 同時発売)、OCRソフト「一発!OCR Pro」(9800円 同時発売)、PDFソフト「Justsystem PDF Creator」(1万2800円 2003年3月上旬発売)も合わせて発表された。

法人向け製品を開発中

 ジャストシステムの福良伴昭常務は記者発表の冒頭、一太郎の開発方針と今後の取り組みについて語り、法人市場に特化した製品を一般パッケージとは別に開発中であることを明らかにした。この製品は、XML形式でのドキュメント活用促進やPKIによる電子認証、セキュリティの強化を図り、加えてワークグループでの利便性を追求したものになるという。


今後の取り組みについて語る福良伴昭常務

 同社がこのような取り組みを進める背景には、政府が推し進めるe-Japan戦略への対応がある。その重点計画では「高度情報通信ネットワークの安全性と信頼性の確保」が最重要課題のひとつとして挙げられており、これを文書管理の面からフォローする製品には、官公庁・地方公共団体を中心に大きな需要があるとみられるからだ。実際、今回発表された一太郎13でも特定のフィールドをマスキングした文書を作成する機能が搭載されているが、「政府機関、地方公共団体からたいへん歓迎されている」(アプリケーション製品開発部 佐尾山英二氏)という。

 同社にとって官公庁・地公体などは従来から比較的強い分野。その買い替え需要をしっかり押さえ続けるためにも、コンシューマー向けとは別にセキュリティなどを強化した製品が必要という判断になったようだ。

[山口哲, ITmedia]

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