News 2002年11月19日 09:10 PM 更新

フォトレポート――今年のCOMDEXはどうなってる?(2/2)


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 全体的に地味だったが、比較的来場者の関心が高かったのは「Windows .Net Server 2003」「Windows XP Tablet PC Edition」「Pocket PC」の3つのブースだった。

 このうち、「Windows XP Tablet PC Editon」と「Pocket PC」のブースは背中合わせになっていたが、面白かったのは、双方のブースに集まる人種がきっちりと異なっていたことだ。Tablet PC側はほとんどがアジア系で、裏側のPocket PCは白人ばかり。Pocket PCでは、中でもSmart Phoneが関心を集めていたが、日本人の感覚から言うとひたすら「デカい」としか言いようがなかった。


Windows XP Tablet PC Editionは、アジア系、特に中国の人たちの関心が高かった


日本人の感覚ではスマート(意味が違うのだろうが)と言われるとちょっと、という感じのSmartPhone

 “Consumer Experience”のコーナーでは、無線LANやイーサネットアダプタなどのハードウェア製品が展示されていたところに人がバラリバラリという程度。日本では大人気のブロードバンド関連製品も、パーソナルユースではさほどのインパクトはないというのが米国の実情のようだ。

大企業のブースが消え、国・地域単位のブースが伸張

 今回のCOMDEXの特徴は、大手メーカーの出展が少なかったことだ。特に日本の大手企業の出展が極端に少なく、目立つ規模でブースを構えていたのは、東芝、オリンパス光学工業、リコーの3社ぐらいのもの。その一方で、元気なのが韓国、台湾、中国勢。Samsung、BENQといった大企業と共に、国・地域単位でも大きな連合ブースを構えていた。


連合ブースでは特に規模が大きい韓国ブース。「eKorea」と銘打っていた


中国・深せんブースも

 それらの「アジアのIT大国」に続いて、カナダ、スペイン、フランス、英国といった先進諸国、マレーシアやバングラデシュといった発展途上国が連合ブースで出展。かつてのCOMDEX会場では“場末”の匂いがした連合ブースだが、今ではその中心的存在になった感さえある。

ようやく見つけたちょっと面白いものは……

 記者2人で分担して会場内を物色したが、なかなか面白いものを発見できない。しかし、ありきたりのグッズが、インタフェースを変えるだけで面白くなるという良い例となるモノがあった。

 unibrain社の「Fire-i」がそれで、名前からもわかる人もいるだろうが、見た限りではありふれたPC用外付けカメラ。だが、ありふれていないのが、IEEE 1394をインタフェースとして使用している点だ。一般に市販されているのはUSBインタフェースがほとんどだが、このFire-iではIEEE 1394(FireWire)を用いているため、デイジーチェーン接続が可能になっている。


一見フツーの外付けカメラだが、IEEE 1394対応

 この結果、複数のFire-iをいとも簡単にPCと接続でき、それぞれのFire-iが撮影した画像を、PCではマルチ画面で表示できる。もちろんIEEE 1394の400Mbpsをサポートしているので、VGA画面を30フレーム/秒で撮影できるし、複数のFire-iが接続されていても、問題なく表示可能だ。

 USB2.0の登場で、肩身の狭くなったIEEE 1394だが、デイジーチェーンが可能という特性をうまく利用したPCカメラと言えるだろう。

ここにも経費節減の波?

 COMDEX会期のラスベガスは、とにかく交通事情が悪い。これはよく知られているが、例年に比べると、無料で運行されるホテルまでのシャトルバスの便数が、どうも減らされている感じがする。LVCCの駐車場事情が改善されたため、レンタカーの使用が増えたためかもしれないが、それでも延々と続くタクシー待ちの行列と、各ホテル行き別シャトルバスの列は、確実に例年に比べて伸びているような気がしてならない。


交通事情の悪さだけは相変わらず

関連リンク
▼ 特集:COMDEX/Fall 2002

[清水隆夫&山口哲, ITmedia]

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