News 2002年11月26日 02:47 PM 更新

CD-Rの「音」を考える
48倍速メディアの音は、なぜ悪いのか(1/2)

高速対応CD-Rメディアの問題点は、低速記録における記録品質の“劣化”にある。だがメディアの専門家は、より低速で記録することは、音質を追及する上で重要と口をそろえる

 PC用のCD-R/RWドライブは、その爆発的な普及と共に現在では、成熟した市場になった。同時に、当初ではあまり大きくは語られることがなかった「高音質な音楽CDを作成したい」という音楽CDマニアも年々増加。CD-RはPCのデータ記録用としてだけでなく、記録可能なオーディオ機器として使われるようになっている。実際、インターネット上のサイトなどでは、高音質な音楽CDを作成するためにどうするとよいかという議論を見かけることも多い。

 また、CD-R/RWドライブメーカーも高音質で音楽CDを作成できることをセールスポイントにするところも現れ、成熟したCD-R/RWドライブ市場は、今以上に音の記録品質にこだわる製品が登場することもありそうだ。

 しかしその一方で、記録に使うCD-Rメディア側では、過度に進んだ高速記録への対応と低価格化の狭間で、いくつかの問題が生じている。それが顕著になってきたのが、今年になって発売された40倍速以上の記録スピードに対応するCD-Rメディアから。こうしたメディアでは、“4倍速”などの、今となっては“低速”と呼ばれる領域でしか記録できない旧型の製品では高品質な記録が行えないためだ。

 ところが、詳しくは次回以降で触れるが、記録メディアの専門家たちは、高品質な音楽CDを作成するためには、より低速な記録を行うことが重要と口をそろえる(最低限、適切な速度で記録することが必要)。つまり、これでは高音質な音楽CDなど到底作成できないのだ。

 そこでCD-Rの音を考える連載の手始めとして、まずは現在のCD-Rメディアの状況と課題についてレポートしよう。

高速対応のCD-Rメディアの問題点

 高速対応CD-Rメディアの問題点は、高速記録に対応するためによって起こる弊害、つまり、その逆の低速記録における記録品質の“劣化”にある。ある記録メディアの専門家は「最近の高速記録用のCD-Rメディアでは、低速記録を行うとかえって記録品質が悪くなる。例えば、旧型の8倍速記録対応ドライブや4倍速対応ドライブなどでうまく記録できないことがある」と指摘する。

 これは、とにもかくにも、CD-R/RWドライブがあまりに高速な記録を行うようになったためだ。現在では48倍速記録に対応したCD-R/RWドライブが一般的になり、最大52倍速記録に対応したCD-R/RWドライブまで登場している。こういった製品では、メディアの最内周は20倍速強で記録を始め、最外周でドライブの対応している最大記録速度(48倍速や52倍速)を実現していることが一般的。内周と外周では記録スピードが実に約2.5倍も違うのだ。

 このため、最近のCD-R/RWドライブでは、記録方式にも本来の音楽CD再生で使用されているCLV(線速度一定)方式ではなく、内周と外周で記録スピードを変化させることができるCAV(角速度一定)方式やZone-CLV方式、CAV方式とCLV方式を組み合わせて使用するPartial-CAV方式などを採用している。

 ご存じない方のために説明すると、CAV方式はメディアの回転数を一定にして、内周から外周に向けて徐々に記録スピードを高速化させる方式。Zone-CLV方式は、メディアを複数のゾーンに分割し、各ゾーンで一定のスピードで記録を行う方式で、Partial-CAV方式は、内周をCAV方式で記録を始め、ある速度まで来たら、後はCLV方式で記録するというものだ。いずれの記録方式も、内周と外周で記録スピードが異なることがポイントである。

 CD-Rはその原理上、高速記録を実現するためには、レーザーの出力パワーを上げることと同時にメディアの反応スピード(感度)を上げてやる必要がある。レーザーパワーの高出力化だけでは、色素がうまく反応しなかったりするなどの問題が発生し、きちんと記録できないからだ。

[北川達也, ITmedia]

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