News | 2002年11月26日 11:38 PM 更新 |
アスキーソリューションズは11月26日、企業向けの電子メールフィルタリングソフト「SurfControl E-mail Filter 3.5日本語版」を発表した。スパムメールを遮断してウィルス感染や機密情報の漏洩を防ぐ。ウェブ/電子メールフィルタリング分野では世界最大手の英SurfControlが開発した。対応OSはWindows NT4.0/2000 Server(日本語版)で、価格は40万円(50ユーザー)から。
SurfControl E-mail Filterは、システム管理者が設定したルールに基づいてスパムメールやウィルス感染メールを自動的に選別し、通過させたり遮断したりするフィルタリングソフト。業務に無関係な私用メールや機密情報を含むメールの送受信を、既存のメールサーバを通過する前にチェックすることも可能だ。
フィルタリングに必要なルール設定は、アイコンをドラック&ドロップするだけ。ルールに違反したメールは自動的に返信/削除するだけでなく、一時的に隔離して内容を確認したあと、転送/遅延送信/許可/警告文を添付して返信するといった処理も行える。
2000語以上の単語をカテゴリ別に分類した日本語(15カテゴリ)と英語(14カテゴリ)の辞書を搭載しているため、メールの内容を語句でフィルタリングできる。辞書にはユーザーが新たに単語を追加することも可能。また、単語にポイントを設定でき、メール内の単語の合計得点が既定以上に達した場合はフィルタリングするといったルール設定も行える。
ただし最近は、中国語や韓国語など日本語ではない2バイト言語でのスパムも増えている。「現時点のバージョンでは、日本語と英語以外の辞書はサポートしていないが、中国語バージョンも検討している」(同社)。
そのほか、複数の単語を組み合わせてフィルタリングする「LexiMatch機能」や、スパムメールをデータベース化する「RiskFilter機能」(英語メールのみ対応、別売オプション)、ウェブブラウザでのリモート管理機能などを備える。
アダルト画像を自動判別する「Virtual Image Agent機能」
注目は、メールに添付されたアダルト画像などを自動で判別する画像認識機能「Virtual Image Agent」(別売オプション)だ。2万2000種類以上の解析アルゴリズムを使ってアダルト画像を判別するという、このインテリジェントなシステムの仕組みはこうだ。
例えば、水着の画像がメールに添付されてきたとすると、Virtual Image Agentではまず肌の色を検出するために添付画像から顔の識別を行う。「これは、素肌が確実に露出しているのが顔だから。顔を特定することで、どんな肌の色でもスキャニングすることができる」(同社)。
顔と同じ色が画像の中にどれだけ存在するか、つまりどれだけ素肌を露出させた“エッチな画像”かというのが、この解析システムによって判別できるというわけだ。画像の肌色占有率は任意に指定可能なので、「このくらいの肌の露出なら排除しない」といった設定も行える。
「こうした画像解析のアルゴリズムは当社独自のものではないが、電子メールフィルタリングソフトに画像解析システムを搭載したのは当社が初めて」(同社)。
スパムの被害は企業だけでなく個人にも及んでいる。今回の新製品は企業向けのソリューションだが、個人ユーザーへは、ISPを介した電子メールフィルタリングサービスで対応していく予定という。「まず英語圏でISP経由のサービスを検証し、その後(日本を含めた)世界各国で展開していく予定」(同社)。
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[西坂真人, ITmedia]
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