News:ニュース速報 | 2002年11月28日 08:20 PM 更新 |
ナムコは11月28日、裸眼立体視と高精細な2D表示を両立させた映像表示技術を開発したと発表した。カーナビゲーションシステムやパチンコ台などへの展開を図る。
ナムコが2000年7月に発表したレンチキュラー・パノラマグラム方式の裸眼立体視ディスプレイを改良。3D/2D表示の切り替えや大画面化(7型ワイド、640×480ピクセル)を図った。
同方式は、ディスプレイパネルの前面に、断面がかまぼこ上のレンズアレイ(レンチキュラー)を配置することで立体視を実現する。レンズアレイで光が屈折することで視差を生じさせ、立体視が可能になるもので、立体写真などで比較的古くから利用されている技術だ。
ただしレンチキュラー装着時は画素がレンズで拡大されるため、2D画像の高精細な表示は難しい。またレンチキュラー特有の細かい縦縞が発生してしまう。
新システムではレンチキュラーと液晶パネルの距離を精密に変化させることで、高精細な2D表示を実現した。3D/2D表示は瞬時に切り替えられ、また3D表示時には5つの異なる視点を表現できる多視点化も実現。専用ハードで映像をリアルタイムに生成・コントロールすることでインタラクティブなムービーも実現できるという。
裸眼立体視と2D表示を両立させた液晶ディスプレイでは、シャープがパララックスバリア方式を採用した製品を実用化している(9月27日の記事参照)。だが同方式では「明るさで難があり、見る位置が固定されるため多人数同時での立体視は難しい」(ナムコ)。
新方式は多視点3D映像と高精細2D表示を両立させ、さらに瞬時に切り替えられる点で優位性があるという。またシステムに精密さが要求されるものの、「ローコストで量産可能」(同社)だとしている。
[ITmedia]
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