News 2002年11月29日 04:54 PM 更新

誰か日本語化しませんか? このイケてるメールマイニングソフト(1/2)

頻繁にやり取りする人のメールボックスには膨大な量のメールがたまっている。その中から必要な情報を選び出すのには、みんな苦労しているはずだ。それを素早く、簡単に手繰り寄せられるソフトをカナダの企業が開発した

 COMDEX/Fallはコンピュータトレードショウで、その醍醐味は自社の技術を売り込みに来る中小のソフトウェア/ハードウェアベンダーにあったハズ。しかし近年のCOMDEXは、展示会そのものよりも、そこに集まるプレス向けに行われるバックヤードでのプレスカンファレンスへの出席で予定が埋まってしまう。身体が2つあるならともかく、移動時間も含めると、展示会場でニッチな製品を見つける楽しみは味わえなくなってしまった。

 そんな状況の中で出会った数少ない興味深い製品のひとつが、カナダのCreo(日本のクレオ社とは無関係)が開発した「Six Degrees 1.5」だ。Six DegreesはWindowsとMac OSで動作する、メールメッセージのデータマイニングソフト。ちょっと長いので、ここではメールマイニングソフトと呼ぶことにしよう。

 メールボックスに日々たまっていくさまざまな情報を分析し、素早く目的の情報にたどり着く機能を備えている。Creoによると、1日平均49分も費やされているメールメッセージの管理を簡略化し、失われた時間を取り戻してくれるとか。果たして、本当にそんな効果があるのだろうか?

目的の情報を“手繰り寄せる”

 電子メール中心で仕事をやっていると、電子メールの中に重要な情報が蓄積されてくる。そこで電子メールボックスのインデックスを作成し、高速の全文検索が行えれば便利。そう思う人はたくさんいるようで、電子メールメッセージの検索ソフトは世の中にたくさん存在している。中には本格的な類似文検索をサポートする、ジャストシステムの「インターネットブーメラン」のような強力なツールもある。

 ところが検索という切り口で探すことは、必ずしもベストの手法とは言えない場合もある。たとえばabc.pdfというファイルを送信したメッセージと、送信相手を検索しようと思えば、キーワードとして[abc.pdf]を指定することで、添付して送信を行った目的のメッセージ履歴を探し当てることが可能かもしれない。

 しかし「どういう経緯で送ったかな?」が知りたくなると、今度は送信したメッセージに関連する前後のやりとりを順に追いたくなってくるし、同じファイルを他のやりとりで使ったことがあるなら「過去に同じファイルを添付して送った先」を並べたくなるだろう。さらには「abc.pdfを送信した相手の一覧」が欲しい場合もある。

 電子メールは全文検索だけではわからない、メッセージスレッドの前後関係、関連する送受信者、添付ファイルの有無とその内容、などが存在する。それらをメッセージタイトルとスレッド、添付ファイル、送受信者という3つの切り口から、立体的に検索・分類してくれるソフトがこのSix Degreesというわけだ。

 その操作は目的の情報を“検索する”というよりも、“手繰り寄せる”と表現するのが正しいと思う。“データマイニング”と言ってしまうと、少々言い過ぎかもしれないが、他のメールユーティリティにはない手法で、メールボックスの情報を分析できることは確かである。

次々に視点を変えながらメールボックスの情報を分析

 Six Degreesは対応メールソフトやWindowsのファイル操作と連携しながら動作する。いくつかの手順を追いながら説明しよう。

[本田雅一, ITmedia]

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