News:ニュース速報 2002年12月5日 09:38 PM 更新

ヒット商品番付、写メールが大関に


 SMBCコンサルティングは12月5日、恒例のヒット商品番付の2002年版を発表した。IT関連ではJ-フォンの「写メール」が東の大関に選ばれたほか、「ブロードバンド」や「ハイブリッド・ビデオ・レコーダー」なども入った。

 「写メール」はJ-フォンのカメラ付き携帯電話端末による画像添付メールサービス。玄人筋からはニーズが疑問視されていた携帯電話のカメラだが、一般ユーザーは敏感に反応して人気に火がついた。J-フォンは全ラインアップをカメラ付きとし、対応端末は700万台を突破。“カメラがないと携帯は売れない”というセオリーも確立し、写メールは「もはや一般名詞化した感すらある」(SMBCコンサルティング)。

 東の関脇となった「ブロードバンド」は殊勲賞も受賞。常時接続の普及でネットは生活のインフラ化し、東の小結に選ばれた「ネット予約」も一般的になった。


松下が3月に発売したDVDレコーダ「DMR-E30」。9万3000円の普及価格で人気が集まった。同社の価格破壊ぶりは各社もいぶかるほど

 家電もデジタル化が進み、東前頭1枚目の「薄型テレビ」はシャープの液晶TVや各社のPDPなどがしのぎを削る有望市場に。西前頭1枚目で並んだ「ハイブリッド・ビデオ・レコーダー」は、松下電器産業がDVDレコーダを実売10万円以下で販売する“価格破壊”で普及が加速した。


シャープの液晶TV「Aquos」。普及へのブレークスルーとされた1インチ1万円を切った

 東前頭4枚目には「MP3携帯プレーヤー」。ZDNet読者なら「なぜ今年?」といぶかるかもしれないが、内蔵フラッシュメモリの大容量化やHDD内蔵タイプの相次ぐ登場で実用度は高まった。さらに東前頭6枚目にはロゴヴィスタの翻訳ソフト「こりゃ英和!シリーズ」が。あえて翻訳ソフト一般としなかったのは「当初はプロの翻訳家向けソフトとして開発されたもので、翻訳精度が高いと評判」(SMBCコンサルティング)だからとか。

 同社は今後のヒット商品のヒントとして「インターネットの最大のインパクトは、ある分野の生半可なプロよりもずっと高度な知識をもったアマチュアが出現したこと。その高度な情報は企業にとっていい/悪いを問わずまたたく間にネット上に広がる」としてメディアとしてのインターネットの重要性を指摘する。

 さらに「ヒット商品は企業が作るものではなく、消費者が作り出すもの。消費者の『夢』」をうまく聞き取って形にできた企業がヒット商品を生み出すチャンスを得る。個人の『夢』の実現なくして景気回復はない」としている。

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▼ SMBCコンサルティング「ヒット商品番付」

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