News:ニュース速報 2002年12月10日 05:59 PM 更新

川田工業と産総研ら、レイバーチックなヒューマノイドロボットを開発


 川田工業などはこのほど、ヒューマノイド型ロボット「HRP-2 Promet」を発表した。プロトタイプから軽量化や連続歩行時間の長時間化などが図られており、人間との屋外共同作業などへの応用を目指す。


 3月に発表したプロトタイプと身長(154センチ)・体重(58キロ)・自由度(30)は変わらない。だが脚部アクチュエータへの冷却機構の搭載で耐温度環境性能が向上した上、連続歩行時間が延びた。また不整地歩行に適した足裏機構も開発した。内部配線の基板化や専用バッテリーパックの開発で、バックパックが不要になっている。

 デザインは「パトレイバー」のメカニカルデザインで知られる出渕裕氏が担当。「Promet」も出渕氏が命名した。

 今後は不整地歩行や転倒からの起き上がり、屋外共同作業への応用などを実験する。研究開発用レンタル事業も開始し、内部APIを公開することでユーザーは独自にソフトを開発できるようになる。

 主な仕様は以下の通り。

サイズ1540(全高)×620(全幅)ミリ
重量(バッテリ含む)58キロ
自由度30軸
歩行速度0−2キロ
ハンド把持力2重量キロ
センサー関節軸:インクリメンタルエンコーダ、視覚入力:3眼ステレオカメラ、胴部:3軸振動ジャイロ/3軸加速度センサ、腕部:6軸フォースセンサ、脚部:6軸フォースセンサ
モータドライバ48ボルト 20アンペア、2軸/ドライバ×16
電源ニッケル水素充電池(DC48ボルト、18アンペアアワー)

 HRP-2は、経済産業省が5カ年計画で進めているプロジェクト「人間協調・共存型ロボットシステムの研究開発」(初年度1998年度)の一環として、同社と産業総合研究所(産総研)との共同研究により開発された人間型ロボットの最終成果。同社が設計製作を行い、産総研知能システム研究部門ヒューマノイド研究グループが全体仕様を、安川電機が腕部を、清水建設が視覚部仕様を設計した。



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