News 2002年12月10日 07:30 PM 更新

特集 2002年回顧(1)
「デジタルな著作権」をめぐる攻防(後編)

カジュアルコピーから海賊版まで、さまざまな形で横行する著作権侵害に対し、2002年は著作権団体側が本格的な反転攻勢に出た1年だった。矢継ぎ早に起こされた著作権関連訴訟やコピーコントロールCDの登場、ファイル交換ソフトの象徴だったNapsterの“死”など、2002年のデジタルな著作権をめぐる攻防を、Newsの記事から振り返る

▼著作権管理のテクノロジー
▼コピーコントロールCD、ただいま“順調に”普及中
▼神だけが逮捕されるとは限らない――日本における著作権の動き
▼デジタル著作権の事件簿

【前編】
▼Napsterの“死”――P2Pは生き残れるか?
▼ハリウッドの論理、シリコンバレーの哲学
▼デジタルミレニアム法は悪法か
▼サイバー社会のレジスタンス

著作権管理のテクノロジー

一律に複製できないようにすることは決して出来ないことではない(それでも破る人間はいるのだが)。問題は正規に購入したユーザーに認められるべき“私的複製”の権利をきちんと保護すること。もちろん、コピープロテクトで品質が劣化するのは論外だ。そのための仕組み作りに今、焦点が移り始めた。

DivXとMP3の開発者が著作権保護技術で協力
DivXNetworksとFraunhofer Instituteが、ビデオ/オーディオ作品のためのデジタル透かし技術を共同開発する

EMI、楽曲の不正利用を追跡へ
5大レーベルの1社であるEMIは、Audible Magicの技術を使い、年内に「オーディオ指紋システム」の実装を開始する

SME、ネット認証型コピーコントロールCDを発表
ソニー・ミュージックエンタテインメントは、コピーコントロールCD「レーベルゲートCD」を2003年1月に発売すると発表。オーディオトラックとは別にPC用音楽データを収録、ネット認証でPCに複製できるようにしている

  • ソニー「OpenMG X」を開発 PS2や家電への音楽配信にも対応
  • ソニーとPhilips、DRM技術のInterTrust買収

    敗北から3年、Divx開発者の「第2幕」が始まる
    期待を集めながら短命に終わった米レンタルDVD規格「Divx」の開発者が、映画の海賊防止のための新技術に取り組んでいる。映画館で画面を撮影するという海賊行為に対抗する技術だ

  • 映画の海賊防止からナノテクまで――NIST助成プロジェクトの顔ぶれ

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  • コピーコントロールCD、ただいま“順調に”普及中

    3月に大手レコード会社のエイベックスがコピーコントロールCD(CCCD)を投入したことは、ユーザーの間で大きな話題になった。その後も追随するメーカーが続出。レーベル側はその普及に必死で、「音質やハードに悪影響を及ぼす」といった情報には今も強く神経を尖らせている。そのおかげか、似非CDとも言われたCCCDは現在、“順調に”増加中だ。

    2社合併でコピー防止CDは増えるか
    Macrovisionは、エイベックスのCDなどに採用されているコピーコントロール技術「CDS」の開発元Midbarと合併することで、「ユーザーに受け入れられる柔軟性の高い」音楽コピー防止技術の普及を加速させたい考え

  • 複製防止付きCD、「日本で1000万枚出荷」
  • 増えるコピーコントロールCD――ワーナーも

    「CDS? あれはプロテクトじゃないです」――再び、コピーコントロールCDを考える
    エイベックスから13日、リリースされたコピーコントロールCD。音楽業界は概ね歓迎のようだが、プロテクト技術の専門家たちは厳しい見方をしているようだ

  • 「“今までどおり”でできるなら、コピーしても問題ありません」――コピーコントロールCDの法的側面
  • コピーコントロール機能付きCD――問題点は何か?

    「CCCDの導入はスムーズだった」 レコード協会
    エイベックスに続き、間もなく、東芝EMIからもコピーコントロールCD(CCCD)が発売される。今のところ、大きな混乱にはなっていないようだが、国民生活センターには3月中旬以降、CCCDに関して数件のクレームがあったという

  • コピーガード機能付きCD登場 エイベックスのサポート体制は万全?
  • カシオ、「CCCDは再生保証できない」
  • コピー防止CDに異議、カリフォルニアで消費者代表訴訟

    あたりまえのしあわせ〜非CCCD「SKETCH SHOW」発売
    細野晴臣+高橋幸宏の新ユニット「SKETCH SHOW」のデビューアルバムが発売された。エイベックスとあって例のCCCDかと心配したけれど、これがごくフツーの“Compact Disc”だった

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  • 神だけが逮捕されるとは限らない――日本における著作権の動き

    コピーコントロールCD発売以外で、日本の著作権に関する大きな動きは、「プロバイダー責任法」が施行されたことだろう。総務省によれば、これは取締りのための法律ではなく、プロバイダーの免責のための法律だというが、その効果は判例が出るまでは不明、というのが実情のようだ。ACCSなど著作権管理団体の違法行為摘発が続いていることもあり、ISPなどは著作権に関し、より“ディフェンシブ”になっている。

    判例が出るまでは…… プロバイダー責任法が施行
    5月27日よりプロバイダー責任法が施行された。そこでもう1度、この法律の意義についておさらいしてみよう

  • プロバイダー責任法で何が変わる? 総務省大村氏に聞く
  • プロバイダー責任法の「発信者情報」について米国政府が意見

    “神”だけが逮捕されるとは限らない──ACCSが継続的な摘発を示唆
    違法なWinMXユーザに“警告IM”を送るなど、啓蒙活動に熱心なACCSだが、「今度も継続的な摘発が行われるだろう」と話す。第2、第3の逮捕者も出るのだろうか?

  • WinMXで逮捕の2人に罰金命令
  • ファイル交換ソフトの利用者は減少傾向に ACCSらが調査

    文化庁が「出会い系サイト」を研究中?
    著作権制度の総本山である文化庁が出会い系サイトを研究している理由は……

    中古ゲームの次は中古CD――レコ協とARTSが対立
    中古CD販売問題をめぐり、2つの業界団体が対立している。中古CDの販売を規制する法整備を提言するレコード協会に、中古ゲーム訴訟の当事者だったテレビゲームソフトウェア流通協会(ARTS)が噛み付いた

  • メーカー側敗訴確定 中古ゲーム訴訟、最高裁が上告棄却

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  • 著作権違反の“事件簿”

    インターネットと著作権に絡む事件は、マスメディアから必要以上に大きく報道される傾向にある。アイドル写真集のサイト運営者の逮捕が、“引き廻し”の映像入りでTV報道されたことは、著作権違反サイトの運営者にとってショッキングな出来事だっただろう。以来、サイトの閉鎖が相次ぎ、著作権違反サイトは“冬の時代”を迎えている。

    違法コピーソフトで授業――MSなどがコンピュータスクール3校に賠償請求
    米MSなどが、違法コピーしたソフトを授業に使用していたパソコンスクール3校を相手取り、損害賠償を求める訴訟を起こした。請求額は合計で5億7000万円に上る

  • アイドル写真集サイト運営者が逮捕される
  • 無断上映のゲームソフトで集客 ホテルを摘発
  • 3万タイトルの海賊版販売 無職男を逮捕

    ACCSのWebサイトが10時間ダウン――「DoS攻撃なら法的措置も」
    ACCSのWebサーバが、2日深夜0時頃、アクセス集中により約10時間にわたってダウンした。同時間帯、2ちゃんねるでは【聖戦】と題して、ACCSへの「F5アタック」を呼びかける祭りが起きていた

    米海軍士官候補生100人のコンピュータ押収
    士官候補生らが講義に出ている間にデスクトップを押収。ハードディスクから海賊版の音楽ファイルや映画ファイルが見つかれば、最悪の場合、除名処分にするとしている(ロイター)

    最新映画の違法コピーは、大学のサーバで“公開中”?
    無防備な大学のサーバが、ハッカーに乗っ取られ、映画やソフトの違法コピーの格納場所として利用されていると、セキュリティ関係者から指摘されている。大学のシステム管理者は、訴訟沙汰になる前に対策をとった方がいいだろう。

    Xbox用MODチップ登場――違法コピー拡大の懸念はなし
    Xbox用のMODチップ「Xtender」が出回り始めている。しかし、チップの取り付けやコピー防止技術のクラックが難しいため、Xboxゲームの違法コピーが大量に出回ることはなさそうだ

  • “MODファン”を泣かせるXboxの改造対策
  • MS、Xbox LiveでMODチップ摘発の可能性
  • ゲーム機改造チップ販売業者、経営交代
  • PS用MODチップ、オーストラリアでは「合法」の判決

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