News:ニュース速報 2003年1月6日 04:37 PM 更新

秋葉原、“PCからマニアへ”鮮明に


 PC販売市場で東京・秋葉原のプレゼンス低下が止まらない。マルチメディア総合研究所がまとめた2002年度上半期(4−9月)の東京圏店頭PC販売概況によると、秋葉原の東京圏シェアは32.5%に減少。美少女ゲームや中古PCなどへの傾斜を強めており、「量より個性の電気街」(同総研)への変ぼうぶりが鮮明になりつつある。

 上半期の東京圏(神奈川・埼玉・千葉各県の一部を含む)の販売台数は全体で61万6500台と前年同期比8.7%減。そのうち秋葉原は20万500台で、シェアでは同2.9ポイント低下した。全国シェアは前期比2ポイント増と持ち直したものの、ピーク時の1997年上半期の21.2%(全国の販売台数は99万5000台)には遠く及ばない。

 理由について、同総研は「秋葉原がマニア度を深めているため」と見ている。秋葉原では新品PCなどの汎用ハードが売れにくくなる一方で、PC用美少女ゲームやアニメDVD、フィギュア、中古PCなどが台頭。PCメーカーの販促費圧縮で新品PCの粗利が下がっているため、大手量販店も脱PCへの動きを加速している。同総研は象徴的な出来事として、ラオックスが2002年10月に「ASOBITCITY」をオープンさせながら、同12月には「ザ・デジタル館」の撤退を発表したことを挙げている。

 また大型店の新規出店が相次ぐ新宿地域や池袋、有楽町など、都内でも一極集中から“面”へと展開が進んでいることも大きい。大手量販店は中堅業者が「不当廉売だ」と悲鳴を上げる高率ポイント還元で集客力を強化。ターミナル駅への量販店の集中化で買いまわりの利便性も高まっており、以前ほど秋葉原の必要性が少なくなっていると見られる。

 2002年度通期について、同総研は東京圏全体について前年度比10%減の120万台前後になると予測した。10、11月とも前年実績を割り込んだ上、年末年始の長期連休化で商戦にも気が抜けない状況が続いた。ただ九十九電機と石丸電気が12月に発売した米eMachinesの低価格PCが好調に滑り出し、「99年下期以来の低価格PCブームが起きる可能性がある」(同総研)という。

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