News:ニュース速報 2003年1月10日 04:10 PM 更新

ソニー、新世代の「メモリースティックPRO」を発表

容量が1Gバイト、転送速度が160Mbpsに達する「メモリースティック PRO」が登場。これを利用できない従来製品向けに「メモリーセレクト」も投入する

 ソニーマーケティングは1月10日、大容量かつ高速書込みを実現した新世代メモリースティック「メモリースティック PRO」を3月21日に発売すると発表した。

高速かつ大容量、しかし従来製品との互換性はなし

 「MSX-1G」(記録容量1Gバイト)「MSX-512」(同512Mバイト)「MSX-256」(同256Mバイト)の3製品が用意される。オープン価格で、実売予想価格はそれぞれ9万2000円、4万6000円、2万円前後。


MSX-1G

 新たにフラッシュメモリの高密度積層構造を採用しており、大容量を実現した。現行のシリアル転送に加え、複数のビット情報を同時に送受信できるパラレル転送が可能。最高転送速度は160Mbps(理論値)で、従来メモリースティックと比較し、約8倍の高速化を実現している。

 規格として最低書き込み速度を15Mbpsと定めており、機器の対応によりDVD並の動画をリアルタイムに記録、再生できるという。また、メモリースティック PROでは、最大容量を32Gバイトと規定している。

 さらに、高画質動画など大容量データの記録に適した設計を採用しており、通常のデータを保存するユーザー領域に加え、システムファイル領域が設けている。動画記録中に同領域へ一定間隔で管理データを記録することで、記録中のメディアの取り出しや突然の電源切れなどが発生した場合でも、記録データの喪失を最低限に抑えることができる。

 加えて、この領域には著作権保護技術「マジックゲート」と、将来の拡張性を実現するための機能を搭載しており、アクセス権を設定する「アクセスコントロール機能」(仮称)などを付加することが可能。

 ピン形状やサイズは従来型メモリースティックと同じ。ただし従来のメモリースティック機器では最新の一部を除き利用できない。SDメモリーカードやコンパクトフラッシュなど他の記録メディアに大容量モデルが相次いで登場する中、従来型メモリースティックは128Mバイトにとどまっており、従来製品のユーザーからはとまどいの声も上がっている。

互換性確保への回答?「メモリーセレクト」

 これに対する回答が「メモリースティック(メモリーセレクト機能付き)」になりそうだ。同社はメモリースティックPROと同時に、128Mバイトのメモリを2枚搭載し、切り替えて使用できる「MSA-128S2」を発売する。オープン価格で、実売予想価格は1万8000円前後。


 「メモリースティック(メモリーセレクト機能付き)」は従来の128Mバイトメモリースティック対応機器でも利用できる大容量モデル。搭載した2つのフラッシュメモリ(現行の128Mバイト)を外部スイッチで切り替えることで、用途に合わせたデータの整理や管理が行える。

 ソニーは「メモリーセレクト機能による新しい使い勝手と1枚当たりの実質的な高容量化は、現行機器と将来発売されるさまざまなメモリースティック対応機器での利便性を更に高めるもの」だとしている。今後さらに128Mバイトメモリ×4枚を搭載した512Mバイトモデル以上の開発も進めるという。



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