News 2003年1月14日 04:16 AM 更新

デジタルHDTVのインタフェースは「HDMI」に

Silicon ImageはCES会場近くのホテルで、HDTV対応のデジタル映像インタフェース規格「HDMI」の現状について説明した

 デジタル映像インタフェースのデファクトスタンダードであるTMDS(Transition-Minimized Differential Signaling)技術を持つ米半導体企業、Silicon Imageは、CES会場近くのホテルで、HDTVに対応したデジタル映像インタフェース規格「HDMI」の現状について話をした。

 このHDMIは「High-Definition Multimedia Interface」の略で、TMDSベースで構築されたディスプレイ接続技術のDVI(Digital Visual Interface)をAV向けに仕様をアレンジしたもの。日立製作所、松下電器産業、Philips、Silicon Image、ソニー、Thomson Multimedia、東芝の7社が、仕様策定を行う組織を昨年4月に立ち上げ、12月に最終仕様がまとまっていた。


HDMI評価ボード。上に見えるUSBに似たコネクタがHDMIコネクタ。右のRCAコネクタはデジタル音声用

 DVIは2本のTMDSリンクを用い、アナログRGBも通すなど、コンピュータ用に設計されたインタフェース。現在の液晶ディスプレイのほとんどが、デジタルインタフェースとしてDVIをサポートしている。DVIにはハードウェアIDを用いた高度な暗号化システムが用いられ、送信相手がすり替わると2秒以内に検出して映像送信をストップさせるなど、強固なコンテンツ保護機能を持つ「HDCP(High-bandwidth Digital Content Protection)」が実装されており、これまではDVIがデジタルセットトップボックスやデジタルテレビを接続するインタフェースとして用いられてきた。

 DVIがコンテンツ保護技術を採用したのは、コンピュータディスプレイでハリウッドの映像を高精細表示するためだったが、家電向けのインタフェースとしては扱いにくい。そこでHDMIではローコスト化と取り扱いの簡略化を目指し、TMDSリンクを1本に減らし、不要なアナログRGBも仕様から落とした。その結果、コネクタやケーブルは小さく、細くなり、取り回しや抜き差しの手間が大幅に削減されている。

 またコンピュータ用として設計されていたDVIでは、映像信号をRGBで扱っていた。しかし多くのAV家電ではYCrCbが用いられる。そこでHDMIではRGBに加えてYCrCbでの接続もサポートている。さらに映像に加えてオーディオストリームを通信データにマルチプレクシング可能になっている。このため、映像と音声を別々のケーブルで接続する必要がない。

 Silicon ImageはHDMIの機能を実現するチップとして、SiI9190(トランシーバ)とSiI9993(レシーバ)を提供する。ただし、現世代のチップでサポートされているのは1080iもしくは720pまでの解像度で、音声ストリームもS/PDIFが1チャネルのみ。Silicon Imageテクニカルマネージャのマイケル・シューマッハ氏によると、この制限はTMDSの帯域幅(毎秒5Gバイト)によるものではなく、純粋にトランスミッタ/レシーバチップの能力的な問題によるものとのこと。次世代のHDMIチップでは、映像フォーマットとして1080pのサポートが追加されるほか、4チャネルのS/PDIFをマルチプレックス可能になる。このとき、4チャネルのS/PDIFにDVD-Audioのストリームを分割して流すことが可能になるという。

 Silicon Imageによると、昨年出荷されたデジタルセットトップボックスの30%がDVIを採用。今年は50〜60%がHDMI対応になる見込みという。またDVDプレーヤーに関しても、すでにMERIDIANが対応しているほか、TAG McLarenからもHDMI対応機が登場する見込み。日本でも今年秋以降に発売されるDVDプレーヤーは、普及価格帯の製品も含めて多くの製品にHDMI端子が装着される見込みだ。さらにデジタルHDTVは2002年、40〜60%がDVIを装着済み。今年は70〜80%がHDMIへと移行する。


MERIDIANのHDMI対応DVDプレーヤーの背面


SamsungのHDMI対応DVDプレーヤー試作機

 日本ではアナログ接続のD端子が、HDTV接続のインタフェースとして定着してしまっているため、HDMIへの移行は米国ほど早いペースでは進まないだろう。Silicon Image側も「日本ではまず対応DVDプレーヤーが普及し、その後にテレビが変わるという順になる」と話す。テレビのデジタル化を促すと考えられる地上波デジタル放送が全国的に広がらなければ、デジタルテレビ需要も広がっていかない。もっとも、HDMIを推進しているベンダーの多くは日本企業であり、普及に関しては時間の問題とも言える。


ビクターのHDMI対応HDプラズマディスプレイ。背面に隠れているが、HDMI対応D-VHSも試作されている


松下電器もセットトップボックス、D-VHSレコーダ、HD対応リアプロジェクタをHDMIに対応させている

関連リンク
▼ 特集:2003 International CES

[本田雅一, ITmedia]

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