News 2003年1月24日 10:48 PM 更新

Bluetoothで自由を手に入れたLモード――シャープ、着脱式液晶搭載LモードFAX

シャープがLモード対応ファクシミリ新製品を発表。Bluetoothを使うことで、液晶ディスプレイを取り外し、離れた場所でLモードが楽しめる

 シャープは1月24日、着脱式のワイヤレス液晶ディスプレイを搭載したLモード対応インターネットファクシミリ“fappy”「UX-WB10C」(2月24日発売)と、コードレス子機が2台の「UX-WB10CW」(3月14日発売)を発表した。価格はオープンだが、実売はUX-WB10Cが7万円前後、UX-WB10CWが8万円前後になる見込み。


ワイヤレス液晶ディスプレイを搭載したLモード対応インターネットファクシミリ“fappy”

 家庭用ファクシミリ市場で国内シェアトップの同社。Lモード対応ファクシミリでも、当然ながらトップの販売実績を誇る。人気の秘密は“液晶のシャープ”ならではの大画面液晶ディスプレイだ。2001年9月に発表された「UX-W70シリーズ」は、当時業界最大の5インチのカラー液晶ディスプレイを搭載し、Lモードのカラーコンテンツを大画面で楽しむという新提案で話題を呼んだ。


大画面で話題を呼んだUX-W70シリーズ

 「大画面化でLモードの使い勝手をよくすると、例えばコタツでゆっくりと操作したいなど、さらに手軽にLモードを楽しみたいという要望が出てきた。その答えが、今回の新製品」(同社)。

 手軽にLモードを楽しむために同社が行ったのは、“液晶ディスプレイをファクシミリ本体から自由にしてやること”だった。


液晶ディスプレイをファクシミリ本体から自由に

 前モデル同様に5インチ液晶ディスプレイを搭載した今回の新製品は、その大画面液晶部を着脱式にした。「これにより、親機から離れた場所でも、手元でLモードのメールや情報検索が楽しめるようになった」(同社)。ワイヤレス液晶ディスプレイは、ザウルスなどで使われているタッチパネルを採用しており、ソフトキーボードを使って簡単に文字が入力できる。またスピーカーホン機能も装備しており、電話としても利用可能だ。


手元でLモードのメールや情報検索が楽しめる

 ワイヤレスシステムには、無線通信規格「Bluetooth Ver 1.1」を採用。Bluetoothは10メートル以内の近距離通信で使われることが多いが、新製品は長距離伝送が可能なBluetoothクラス1に対応し、見通し100メートルの伝送を可能にした。データ転送速度は723Kbps(音声/データ含む)で、映像/画像など比較的容量の大きなデータも送信できる。新製品にはオプションで専用ドアホンユニットが用意されており、ワイヤレス液晶ディスプレイにドアホンの映像を表示することも可能だ。


オプションでディスプレイにドアホンの映像を表示することも可能

 新製品に使われているBluetoothは、シリアルポート・プロファイル(SPP)に同社独自開発の音声通信プロファイルを付加したもの。新製品のために開発された独自仕様なので、他のBluetooth製品との互換性はない。また、ワイヤレス液晶ディスプレイは1つの本体につき1台だけ割り当てられ、ディスプレイ単体での販売も行われない。つまり、コードレス電話の子機のように、家族で複数台を使い分けることはできない。

 「Bluetoothは複数チャンネルをサポートするため、複数台を登録すること自体は技術的には可能。だが、複数台での同時利用は機能的に難しいほか、仮にディスプレイ部を単体販売した場合、3万円前後はしてしまうため、コスト面からも今回は見送った。ただ、このようなデバイスが広く普及すれば、コストダウンによって各部屋にディスプレイを置くことは可能かもしれない」(同社)。

 同社によると、2002年末までのLモード加入者数は約31万件。1年半前のLモードスタート時に掲げられた年間200万加入には遠く及ばない。「普及が遅々として進まないLモードだが、家中どこでも手元でLモードが楽しめる今回の新製品が、Lモード普及の“呼び水”になってもらいたい」(同社)。

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[西坂真人, ITmedia]

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