News 2003年1月30日 11:31 PM 更新

お掃除ロボットや次世代携帯向けチップも――JETROが専門フォーラム

海外ベンチャーと国内企業の交流を目的とした「ジェトロ国際テクノビジネスフォーラム2003」が横浜で開催。“カメラ機能の1チップソリューション”や、お掃除ロボットなど、世界中のハイテク製品が集まった

 日本貿易振興会(JETRO)主催の専門フォーラム「ジェトロ国際テクノビジネスフォーラム2003」が、1月30日から神奈川県横浜市のパンパシフィックホテル横浜で開催している。会期は1月31日まで。海外のハイテクベンチャー企業と国内企業との交流を目的とした同フォーラムには、世界各国から35社が参加。その中から、注目を集めていた海外ハイテク企業を紹介しよう。


「ジェトロ国際テクノビジネスフォーラム2003」

 日本ではカメラ付き携帯電話が盛り上がっているが、この巨大市場を狙っているのがイスラエルの半導体メーカー TransChip。同社の売りは、CMOSイメージセンサと画像処理回路を1チップ化した携帯電話用の「カメラオンチップイメージングソリューション」だ。

 「撮像素子だけでなく、高度なイメージキャプチャ、カラー処理、画像圧縮、ビデオストリーミングを1モジュールに組み込んだ。この製品を利用することで、携帯電話機メーカーは高品質のマルチメディア技術を次世代携帯電話に組み込むことができる」(同社)。

 CIF(10万画素)やVGA(30万画素)の製品は昨年までに量産に入っており、今年中にはSXGA(130万画素)のメガピクセル対応版がリリースされる予定という。すでに中国の携帯電話メーカーとのアライアンスが進んでおり、実際に端末に組み込んでのテストも行われているとのこと。

 「画像処理まで含めたカメラ機能を1チップで提供するソリューションは業界初。ぜひ、日本での流通チャネルを構築したい」(同社)。


TransChipの商談テーブルでは、日本メーカーの担当者が熱心に説明を聞いていた

 “豪州製お掃除ロボット”としてZDNetでも取り上げたことのあるオーストラリアのFloorbotics。床面掃除用知能ロボットの最新プロトタイプ「iVAC」を商談会場に持ち込んで、実演しながら商品をアピールしていた。


Floorboticsの床面掃除用知能ロボット「iVAC」

 iVacは、独自技術「ARNAナビゲーション ソフトウェア」によって、参照マップを内蔵している場所であれば自動で部屋中を移動して掃除を行う。操作ボタンもスタート/ストップ/一時停止のわずか3つしかなく、まさに“家電感覚”の簡単操作。


操作ボタンはスタート/ストップ/一時停止のわずか3つ

 iVACは現在、欧州メーカーとのジョイントベンチャーの話が進んでいるという。日本では、家電メーカーとの業務提携を希望している。「iVACは無線LAN機能を搭載しており、インターネット経由で音声や動画の転送、リモート制御も可能。携帯電話から操作することもできる。また、搭載されたロボット制御技術は、玩具ロボットへも応用できるほか、監視や防犯などセキュリティ分野にも生かせる」(同社)。

 北欧フィンランドから参加したのが、データセキュリティ分野で急成長しているBlancco。PC廃棄時のHDDからのデータ漏洩が社会問題になっているが、同社のデータ消去アプリケーション「Data Cleaner」を使えば、特殊な装置を使うことなくHDD内のデータを簡単に消去できるという。「PC廃棄時も使用済みHDDを物理的に破壊する必要がなくなり、また、PCの売買や貸し出しの際にも、データセキュリティのリスクを負わずにすむ」(同社)。

 欧州ではすでに50万本が出荷されており、Hewlett PackardなどのPCベンダーや、米国陸軍、香港警察などでの採用実績も。「日本では、ソースネクストがB2C向けに製品化しているほか、ソニーがバイオシリーズにバンドルしている」(同社)。

 今回のフォーラムは、販売およびマーケティング活動において戦略的パートナーシップを組める相手を求めて参加とのこと。商談テーブルで対応する担当者も、力のこもった商品説明を行っていた。


商談テーブルで対応する担当者の商品説明にも力がこもる

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[西坂真人, ITmedia]

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