News:ニュース速報 2003年2月3日 05:08 PM 更新

走行中の車から車へ瞬時に画像伝送 沖が開発

走行中の自動車から別の自動車に静止画像を瞬時に伝送する「写々間通信システム」を開発したと沖電気が発表した

 沖電気工業は2月3日、走行中の自動車から別の自動車に静止画像を瞬時に伝送する「写々間通信システム」を開発したと発表した。基地局などを介さずに自動車同士で直接通信を行う仕組み(車々間)で、渋滞状況などを撮影して周辺の自動車に伝えることができる。2004年度中の実用化を目指している。


 ITS(高度道路交通システム)で利用される無線通信方式の「DSRC」(Dedicated Short Range Communications)を活用する。車載CCDカメラで撮影した静止画像をJPEG化し、無線通信により半径数百メートル内の複数の走行車両に同時送信できる。画像はカーナビゲーションシステムのディスプレイなどに表示し、渋滞や災害時の状況をドライバー同士で伝え合うことができ、仲間同士でドライブする際にもコミュニケーションツールとして活用できる。

 渋滞などで局地的に形成されたアドホックな車群の場合、車両の入れ替わりが激しいため、任意の車両を基地局と想定して通信を集中制御させるといった仕組みは使えない。新システムではアドホックネットワークで通信品質を保証できるメディアアクセス制御(MAC)を開発し、1対Nの通信を実現した。

 基地局を介さない分、処理遅延がないため瞬時にデータの送受信が可能だという。35万画素(640×480ピクセル)の画像なら3秒以内で伝送できるとしている。今後はシステムの小型化や操作性の向上などを図り、進行中の車々間システム標準化作業を視野に入れて商品化を進めるとしている。

 DSRCシステムは、基地局と車両の間で情報を交換し合う「路車間通信システム」と、車両間で通信する車々間システムに大別される。既に電波産業会が業界標準(ARIB STD-T75)を定めており、商用化に向けた開発を進めている。

関連リンク
▼ 沖電気工業

[ITmedia]

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.