News 2003年2月6日 09:25 PM 更新

IT戦士を癒し続けた“社員犬”が退任

日本オラクルの有名な“社員犬”ハイディが今月いっぱいで定年を迎える。退任式では、後任の“癒し役”も紹介された

 IT業界では有名な“あの社員犬”が、とうとう退任することになった。

 日本オラクルは2月6日、同社の社員として働いていた犬「ハイディ」の退任式を行った。


日本オラクルの社員犬「ハイディ」

 同社初代会長だった佐野力氏の「人間は自然と触れ合うことによって、より創造的になれる」との発想から、犬を社員として迎えようというアイデアが生まれた。

 ハイディはメスのオールド イングリッシュ シープドック。もともとは牧羊犬だが、近年は家庭犬としても人気だ。全身が長い毛で覆われたこの犬種は、温厚/従順/利口な性格が特徴。その愛らしい風ぼうと穏やかな性格が、癒し役として最適という理由から抜擢された。


愛らしい風ぼうと穏やかな性格から癒し役として抜擢

 1991年に同社の社員として採用されたハイディは、以後毎週2回(水曜日と金曜日)出勤して社内を歩き回り、仕事中の社員を激励したり和ませたりする“癒し役”という要職を担ってきた。社員のメンタルな面をサポートするという難易度の高い職務から、「CEOオフィス(社長室)」という役職も付いていたほどだ。

 ハイディとは大の仲良しという新宅正明社長は「ハイディはどんな時代でも変わることなくオフィスを歩き回ってペロペロなめてくれた。われわれの仕事はどうしてもストレスがたまる。そんな時、ハイディはいつもわれわれに癒しを与えてくれた」と語る。


ハイディとは大の仲良しの新宅正明社長

 10年以上にわたって社員を和ませてくれたハイディも、今年の1月で満12歳を迎えた。人間でいえば、70歳以上の“おばあちゃん”だ。そこで同社は今月をもってハイディを“定年”とし、後任に要職を託すことになった。

 退任式では新宅社長から感謝状が手渡され、同社から大好物のビーフジャーキーが1年分が贈られた。


感謝状とビーフジャーキーの目録を手渡されたハイディ

 大役を立派に果たしたハイディだが、老後はどうなるのだろうか。いや、心配はご無用、同社は定年後の彼女の身の振り方までも、しっかり面倒見てくれた。

 同社では退任後のハイディを引き取ってくれる“里親”候補を社員の中から募集。名乗りを上げたのは、同社執行役員エデュケーション本部長の武井直氏だ。


ハイディの里親となる同社執行役員エデュケーション本部長の武井直氏(左)

 武井氏は宣伝部に所属していた時代、ハイディのストラップやヌイグルミを商品化したこともある大のハイディファン。里親として紹介された武井氏に対して新宅社長からは「武井氏は子だくさんで家もそんなに広くないが(笑)、ハイディの里親に立候補してくれて生涯を共にすると誓ってくれた。ほんとうにありがとう」と感謝の言葉が述べられた。

 一方、武井氏は「(オラクルでは)いろんな要職に携わってきたが、今回が一番責任が重い。みなさんが遊びに来てくれた時に、今と同様キレイに世話された状態にできるかが心配。とにかくがんばります」と、社員のアイドルだったハイディの里親になる上での決意を語った。ちなみに、“子だくさん”武井氏の4人の子供は、皆“女の子”。これで、娘がまた1人増えたわけだ。

 さて、ハイディの後任だが、今後も犬を採用することがすでに決まっており、ハイディと同じ誕生月となる今年1月6日に生まれたばかりのオールド イングリッシュ シープドッグが、新しい“癒し役”として4月から働き始める予定。名前は社内公募の結果、「ウエンディ」と名付けられた。


次期“癒し役”「ウェンディ」。1月に生まれたばかりなので今回はスライドで紹介

 ウェンディは、ハイディの最終出社日となる3月5日に、同社の社員にお披露目される予定。


仲良しの新宅社長の顔をなめ回し、別れを惜しむハイディ

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[西坂真人, ITmedia]

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