News:ニュース速報 | 2003年2月12日 05:16 PM 更新 |
静岡大学電子工学研究所とソニー、ソニーLSIデザインは2月12日、薄暗い場所でもノイズを抑えた画像を撮影できるCMOSセンサー技術を共同開発したと発表した。低照度時撮影時の画面のノイズを従来と比べ半分に低減できるという。
開発したのは「適応ゲイン・カラム増幅技術」(Pixel-Gain-Adaptive Column Amplifier)。CMOSセンサーのカラム(垂直画素列)出力部ごとに低ノイズ・低消費電力の適応ゲイン型増幅器を設け、センサー部から得られる微少信号へのノイズの混入を最小限に抑えるという。各増幅器は画素ごとに信号の大小を判断し、信号が小さい場合には一時的な増幅処理を行うことでノイズ耐性を高める。増幅された信号は画像合成ユニット部で復元されるため、混入したノイズは復元過程で圧縮され、低照度画面のSN比が改善されるとしている。
また従来は12−14ビット相当のデジタル処理で固定パターンノイズを低減していたが、これを17ビットに高め、除去精度を改善できたとしている。これらにより、低照度時のノイズをソニーの従来製品と比べ2分の1となる263μボルトに、固定パターンノイズを同4分の1の50μボルトに低減できることを確認した。
効果を確認した試作品は0.25μプロセスの約10万画素(364×294ピクセル)タイプだったが、次世代プロセスや多画素タイプへの応用も可能だとし、実用化に向けて研究開発を進めるとしている。
成果は2月11日、「International Solid-State Circuits Conference」(ISSCC、米国サンフランシスコ)で発表した。
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