News 2003年2月17日 09:11 PM 更新

Philips、国内でPCオーディオ製品を本格展開

米国Philips ElectronicsのPhilipsサウンド・ソリューション(PSS)事業部が、PCオーディオ製品群の日本での販売を本格的に開始する。第1弾は、独自オーディオソフト「Sound Agent 2」を搭載した5.1ch対応PCIサウンドカード「Sonic Edge 5.1」だ

 米国Philips ElectronicsのPhilipsサウンド・ソリューション(PSS)事業部は2月17日、PCオーディオ製品群の日本での販売を、国内販売代理店のアスクを通じて本格的に開始すると発表。アスクは第1弾として、独自オーディオソフト「Sound Agent 2」を搭載した5.1ch対応PCIサウンドカード「Sonic Edge 5.1(PSC 605)」を本日から日本市場に本格投入する。価格はオープンだが、実売は6980円前後になる見込み。


5.1ch対応PCIサウンドカード「Sonic Edge 5.1」

 「Acoustic Edge」や「Seismic Edge」など、マニア好みのサウンドカードが人気のPhilips製PCオーディオ製品だが、日本法人の日本フィリップスにPCオーディオ製品を扱う部門がないこともあって国内での流通量は少なく、一部のショップで並行輸入版などが販売されるぐらいだった。

 約1年前からテスト販売というカタチでPhilips製品を取り扱ってきたアスク社長の武藤和彦氏は「われわれはこれまで、日本で名の売れていないユニークな商品を扱い、そのブランドを確立させるという戦略を展開してきた。Philipsのように始めからビッグネームのブランド製品を扱うのは今回が初めてだ。独自の技術を駆使したPhilips製品は、きっと日本のユーザーにも評価してもらえる」と期待を述べる。

 日本市場本格参入第1弾となる5.1ch対応PCIサウンドカード「Sonic Edge 5.1」は、アスクが昨年11月から一部ショップ向けにテスト販売していたもの。上位モデルとなるAcoustic EdgeやSeismic Edgeには、5.1chサラウンド/3Dボイス/ウェーブテーブルボイス機能などを備えた独自DSPチップ「ThunderBird Avenger」を搭載していたが、普及価格モデルとなる今回のSonic Edge 5.1にも、チップ内に5.1chサラウンドデコーダ機能を備えた新開発のDSPチップ「Sonic Engine」を搭載した。

 Sonic Edge 5.1の売りは、オーディオソフト「Sound Agent 2」。QSoundアルゴリズムで2chステレオソースをマルチスピーカー用にエンコードする「QMSS(QSound Multi Speaker System)によってステレオスピーカーでも疑似サラウンドを実現できるほか、MP3で圧縮されたコンテンツをオリジナルの音質に修正して再生できる「MP3 Energy Boost」といった機能を備える。

 「単純なイコライザーでは、圧縮して失った音楽データを補完することが出来ない。だが、MP3 Energy Boostではアクティブダイナミックフィルタリングを使うことで、バンドごとにソースを分析して音質を修正できる」(Philips PSS事業部製品マーケティングマネージャーのDennis Johnson氏)。


グラフィカルな画面で各種設定が行える「Sound Agent 2」

 発表会では、映画コンテンツや3Dゲームの2chステレオ音声をSonic Edge 5.1のフルサラウンド変換機能で5.1chサラウンド音声に変換するデモンストレーションや、スピーカーのポジショニングやイコライザーのサウンドコントロールがビジュアルで設定できる機能の紹介が行われた。


2chステレオ音声のコンテンツも、迫力の5.1chサラウンドサウンドに変換できる

 またアスクでは、4.1chサラウンドデコーダ機能を搭載した「Dynamic Edge(PSC604)」や、5.1チャンネルフラットパネルスピーカー「MMS306」、2.1チャンネルフラットパネルスピーカー「MMS303」など、以前からテスト販売を行っていたPhilips製PCサウンド製品群も本格的に販売する。価格はすべてオープンだが、実売はDynamic Edgeが3980円前後、MMS306が2万6000円前後、MMS303が9980円前後となる見込み。


4.1chサラウンドデコーダ機能を搭載した「Dynamic Edge(PSC604)」

年末にはワイヤレスでサラウンドシステムを構築できる無線デジタルアンプも

 発表会でJohnson氏は、Philips PSS事業部が今年第3−第4四半期に発売を予定している開発中の新製品も紹介した。

 「外付けタイプの5.1chサラウンドシステムPSC 805 Auriliumのリリースを今年第3四半期に予定している。この製品はUSB2.0に対応し、USBバスパワーだけで駆動、24ビット/96kHzのオーディオ再生をサポートする。また、ワイヤレスでサラウンドシステムを構築できる無線デジタルアンプも今年第4四半期に予定している。これはワイヤレス通信でCD品質の伝送をサポートし、どんなスピーカーシステムとも互換性を持つ」(Johnson氏)。


USB2.0対応外付け5.1chサラウンドシステム(左)と、無線デジタルアンプ(右)

関連リンク
▼ Philips
▼ Philips PCサウンド関連製品サイト
▼ アスク

[西坂真人, ITmedia]

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