News | 2003年2月18日 06:58 PM 更新 |
マイクロソフトは2月18日、組込み開発者向けカンファレンス「The Microsoft Windows Embedded Developers Conference 2003 Japan」を開催。基調講演では、Microsoft Embedded and Appliance Platform GroupジェネラルマネージャーのTodd Warren氏が、同社の組み込み市場での取り組みやWindows Enbedded OS搭載の製品群、今後のロードマップなどを語った。
昨年2月に行われた同カンファレンスで、組み込み向けOS「Microsoft Windows CE.NET 日本語版」と「Windows XP Embeddedマルチユーザーインタフェース版」が発表された。それから1年。Warren氏は「Windows Embeddedの世界は、この1年で大きく飛躍した。Windows CE.NETに使われるドライバの数は対前年比で164%になり、パートナー企業も全世界55カ国に1600社と広がった。現在までに1200件以上のデザインがスタートしている」と1年の成果を振り返る。
同社はWindows CE .NETの評価版「Windows CE.NET エミュレーションエディション」を、同社サイトから開発者が自由にダウンロードできるようにした。これが、好結果につながったとWarren氏は分析する。「評価版をダウンロードした開発者は10万7000人。エミュレーションエディションは無償の評価版だが、150万のソースコードが公開されており、このソースコードを使ってシステムを動かしたりデバッグ作業をしたりできる。新デバイスのプロトタイプに試してみるユーザーも多かったようだ」(Warren氏)。
Windows Enbedded OSを搭載した製品も増えつつある。Warren氏は、NECや富士通などが商品化しているSmart Displayをはじめ、2003 International CESでも紹介されたCE.NET搭載のエアロバイク/ミシン/POS端末などや、ビデオ再生機能を持つSTBなどXP Embedded搭載機などを紹介した。
注目を集めたのが、ソフトウェアコンポーネントセット「Media2Go」。Gates会長がCESの基調講演でお披露目したHDD内蔵のメディアプレーヤーだ。「実際に動作するMedia2Goの紹介は、日本では初めて。音楽、ビデオ、写真など、PCでのメディアの体験を携帯することができる。Windows Media 9の高度な画像圧縮技術を使っており、ビデオ再生もスムーズだ」(Warren氏)。
CESのMedia2Goデモ機はシルバーボディだったが、今回の試作機はオレンジに変更。ただし「中身はほとんど変わっていない」(同社)とのことなので、CESの時と同様にiPAQ上でMedia2Goのシェルを起動しているものと思われる。会場では動画再生のデモンストレーションも行われたが、プロトタイプのためか処理速度や操作性などはイマイチで、まだまだ発展途上の製品という印象は否めなかった。
最後にWarren氏は、Windows Enbedded OSのロードマップを示した。
「クライアントOSの新バージョンが出たときは、90日以内にEmbedded OSも新バージョンを用意してきた。来年に予定している次期OS“Longhorn”でも、“Longhorn Embedded”を同時にリリースする。また、昨年7月にVer4.1をリリースしたCE.NETは、今年前半に新バージョン“McKendric”を発表。2004年にはその次のバージョンとなる“Macallan”を予定している。このように、CE.NETは、1年ごとに新バージョンになっていく。アプリケーション開発キットVisualStudio.NETの新バージョン“Everett”は、今年前半に発表する予定だ」(Warren氏)。
[西坂真人, ITmedia]
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